...これまで幾度も一緒に此風景を嘆稱し合つた友人の上を思つた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...わたしだって定子をみごとに捨てて見せますからね」と心の中で頭を下げつつ幾度もわびるように繰り返していた...
有島武郎 「或る女」
...君は手ぬぐいを腰から抜いて湯げが立たんばかりに汗になった顔を幾度も押しぬぐった...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...天野君は大きい涙を幾度も/\零(こぼ)して呉れました...
石川啄木 「雲は天才である」
...そしてポケツトを幾度もひつくり返して...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...老人はそれを幾度もして...
小泉八雲 田部隆次訳 「ろくろ首」
...幾度もジャンナン氏の世話になった同県の代議士と上院議員とを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...幾度もさそうとした...
豊島与志雄 「反抗」
...爵位局より発布の「尊族簿」が幾度もひっくりかえされているうちに...
長谷川時雨 「九条武子」
...一日のうちには幾度もあります...
羽仁もと子 「女中訓」
...それだから幾度も幾度も考へては己れはもう一生誰れにも逢ふ事が出来ない位なら今のうち死んでしまつた方が気楽だと考へるがね...
樋口一葉 「わかれ道」
...幾度も彼は寝台へ近寄って...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...幾度も転びそうになるのだ...
北條民雄 「いのちの初夜」
...強い風の中で私は幾度もマッチをすつて提燈の火をつけようとしたことがある...
北條民雄 「外に出た友」
...また幾度も非行をし過すに...
南方熊楠 「十二支考」
...幾度も/\引つくりかへして見てから...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...「お大尽(だいじん)が通る」「関内芸妓(げいしゃ)が通る」と百姓たちは、幾度も、腰を立てた...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...そうして幾度も躊躇しながら...
和辻哲郎 「停車場で感じたこと」
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