...常陸の新治(にいはり)・筑波(つくば)を過(す)ぎて幾夜(いくよ)寢(ね)たか...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...二十幾夜の月が出かかつたのであらう...
薄田泣菫 「独楽園」
...幾夜も寝苦しい思いをした...
太宰治 「川端康成へ」
...わたしはもうこれまで幾夜(いくばん)も幾晩も考えた上の話じゃ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...筑波(つくば)を過ぎて幾夜(いくよ)か寝つると歌を以て尋ねた時...
中里介山 「大菩薩峠」
...嫁(とつ)ぎてより幾夜か経たる...
夏目漱石 「薤露行」
...「新墾筑波を過ぎて幾夜か寝つる」といふ形...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...それから幾夜となく...
堀辰雄 「旅の絵」
...眠らずに明かした幾夜...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...祖父が幾夜も御殿に泊りこみ...
山本周五郎 「桑の木物語」
...朝までまんじりともしない晩が幾夜つづいたかしれやしません」「かよがいるぞ」と甲斐が云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...布陣の一石野営、幾夜...
吉川英治 「上杉謙信」
...人間越前として、幾夜か、悩んだことはいうまでもない...
吉川英治 「大岡越前」
...内裏(だいり)の方々さえ幾夜か夜露(よつゆ)の外に明かされたと聞えているほどなので...
吉川英治 「剣の四君子」
...幾夜を」疲れも思わず...
吉川英治 「私本太平記」
...幾夜も寝ておらぬ」「そうそう...
吉川英治 「新書太閤記」
...「聞くところに依ると、そちは近頃、しばしば、公務を欠いて、幾夜も、館を空けるそうだの...
吉川英治 「平の将門」
...幾夜の旅の後に、彼は、笠間峠(かさまとうげ)のいただきから、なつかしい城下の灯を遠く見ていた...
吉川英治 「旗岡巡査」
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