...ところが彼はその賞金の全部を幾らか手伝ってもらった友人たちに頒(わ)け与えてしまって...
石原純 「ラヴォアジエ」
...その拍子に苦味(にがみ)が幾らか取れるようですから...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...」女は幾らか落(おち)ついて言つた...
薄田泣菫 「茶話」
...」このちょっとした憤慨はかえってアッタスン氏を幾らか安心させた...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...かうして幾らか感情が鎭まつたので...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...幾らかの関係を持っています...
谷譲次 「踊る地平線」
...「モハメッドのために」幾らかくれと言うのだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...却って自然の夫婦らしさがまだ幾らかは残っていることを示していた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...幾らかの兵を配置した...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...皿を持つて來た所をつく/″\見ると娘は眼のまはりが幾らか隈になつて容易ならず貧血して居るのである...
長塚節 「旅の日記」
...そのため幾らかの学科試験を受けることができなかったために...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...幾らか怖くございませんから...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...私が寢床(ベッド)に這入つてからもう幾らか經つた頃...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...芝居に中幕(なかまく)とか附け物とかいふ事があるのは幾らか能に狂言の加はつて居る所から思ひ附いたのではあるまいか...
正岡子規 「病牀六尺」
...中で幾らか取り分けたのを部屋の棚に載せて...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...月づき幾らかずつは仕送らなければならないので...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...そして私がひとよりも幾らか早くそのお言葉の真実さを知ったと思えるのは...
山本周五郎 「日本婦道記」
...」矢代も顎を撫でつつ笑っているうちに幾らか得意な明るい気持ちになるのだった...
横光利一 「旅愁」
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