...僕に探偵の真似が出来ないと云うのですか」諸戸は幾らか静まった私の様子に...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...「実はこの羽織をまげて幾らか融通したいと思ひましてね...
薄田泣菫 「質屋の通帳」
...幾らかお愛相(あいさう)のつもりで言つたものだ...
薄田泣菫 「茶話」
...室中の者に聞えるようにと幾らか高くはあったが...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...そんな風に作者と選者とが力を協(あわ)している中にそれらの人々の俳句は幾らかずつ進歩して行くものと思う...
高浜虚子 「俳句への道」
...さうしたら幾らか気が晴れるだらうと...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...一座は幾らかしんみりしたほどだった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...そして幾らかの心附けの金が彼の為に小父さんの手に渡された...
豊島与志雄 「少年の死」
...さういふ風に幾らか此人の事について前から注意をして居りましたので...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...」と私は幾らか嚴(きび)しい口調で續けた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...大きな荷のため幾らか前こごみになってかたい雪の上に出た...
本庄陸男 「石狩川」
...もし吾々がこの計算に幾らかでも信をおけるとすれば1)...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...それは稀には幾らかの事を知って...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...でも幾らか慣れて来た...
山本周五郎 「青べか日記」
...幾らかの銭を小女に渡しながら云った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...深い土の底へ現実を埋めた気がして幾らか心が安らぐかと思ったが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...その有害な結果に対する幾らかの補償を与えるものと考えられるであろう...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...幾らかの躊躇と一緒に玄関の戸を押開け含んだ声で案内を乞うてみた...
蘭郁二郎 「魔像」
便利!手書き漢字入力検索