...幽宮(かくりみや)の幽趣たとしへもなき調(しらべ)...
石川啄木 「閑天地」
...三脚のベンチが据えられてあるだけで幽趣この上もないのでした...
上村松園 「女の話・花の話」
...橋をして一層の幽趣を帶ばしむ...
大町桂月 「梅の吉野村」
...幽趣いふべからず...
大町桂月 「鹿島詣」
...幽趣を極めたる後樂園...
大町桂月 「小石川臺」
...老松路に横はり、幽趣人に逼る...
大町桂月 「白河の七日」
...雨に一層の幽趣加はりて...
大町桂月 「千葉夜行記」
...杉の大木の下に床几(しょうぎ)を積み上げたるに落葉やゝ積りて鳥の糞の白き下には小笹(おざさ)生い茂りて土すべりがちなるなど雑鬧(ざっとう)の中に幽趣なるはこの公園の特徴なるべし...
寺田寅彦 「半日ある記」
...何人と雖永くこゝに此の幽趣を保存しやうといふ官廳の訓示の當然なるに首肯するであらう...
永井荷風 「十年振」
...独居の幽趣亦棄つべきにあらず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...対岸に啼く鶯の声の水の上を渡ってかすかに聞えてくる事のいかに幽趣あるかを説いて下の如くに言っている...
永井荷風 「向嶋」
...遠村の幽趣に非ずや...
長塚節 「草津行」
...他の一作には孤煙双鳥下幽趣迫疎林と書かれている...
藤島武二 「画室の言葉」
...それが深山の幽趣を描いたものであることを知り...
藤島武二 「画室の言葉」
...車上にて露吹くや小籔の中の芋畑 鳴雪と詠み出でられたる雅淡にして幽趣あり...
正岡子規 「日光の紅葉」
...曲渓泉響添幽趣...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...幽趣は甚だしく損じられた...
山本笑月 「明治世相百話」
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