...表現手段として散文がいかに幼稚なものであるかを感じないではいられない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...美妙自身もまた幼稚な裸体画論を主張して...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...古い幼稚な暗号小説には...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...自然物に関する学問のいまだ幼稚なころに造られたもので...
丘浅次郎 「誤解せられたる生物学」
...又はその幼稚な要求に合(がつ)したがためにある物...
田山録弥 「自からを信ぜよ」
...だが彼はそういう幼稚な策略に欺かれなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...幼稚な正直な民法では...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...近頃はかういふ風な幼稚な題目は流行りませんで...
内藤湖南 「支那歴史的思想の起源」
...さすがの幼稚な石女木人のいさかいも...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうかしてこの込み入った画の配合や人間の立ち廻りを鷲抓(わしづか)みに引っくるめてその特色を最も簡明な形式で頭へ入れたいについてはすでに幼稚な頭の中に幾分でも髣髴(ほうふつ)できる倫理上の二大性質――善か悪かを取(と)りきめてこの錯雑(さくざつ)した光景を締(し)め括(くく)りたい希望からこういう質問をかけるものと思われます...
夏目漱石 「中味と形式」
...だが当時の幼稚な技術ではどうしても途中で石炭をつむ寄港地が必要だった...
服部之総 「黒船来航」
...幼稚な疑問と思はれるかも知れないが...
北條民雄 「烙印をおされて」
...幼稚な白墨の字で...
正岡容 「東京万花鏡」
...いずれも蛇を竜の幼稚なものとしたので...
南方熊楠 「十二支考」
...幼稚な言葉であらわされるが...
宮本百合子 「現実の必要」
...あまりに幼稚な心を持っているあなただとは知らないで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...これは縄文土器の土偶に比べてほとんど足もとへもよりつけないほど幼稚なものである...
和辻哲郎 「人物埴輪の眼」
...かかる幼稚な原典批評の提案はもはや全然無意義に化しているのであるが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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