...天下を睨んでゐる君の姿は夙(つと)に僕の幼な心に...
芥川龍之介 「僻見」
...私も幼な心に薄々と覚えておりまして...
上村松園 「女の話・花の話」
...つまり幼な心を傷つけるものだ...
梅崎春生 「狂い凧」
...ひどい雨風の晩で磯打つ波の音が枕に響いて恐ろしかったのが九歳の幼な心にも忘れ難く深い印象をとどめた...
寺田寅彦 「箱根熱海バス紀行」
...幼な心の大きな苦しみ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...幼な心には馴染のありそうな新世界や...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...カヤノは幼な心にもわがままをしては病人の私にすまぬと思っているものか...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...誠一の幼な心にせつなかったのは...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...弥之助の幼な心は何となく無常の感じにおそわれて...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...それが幼な心によほど嬉しかったとみえて...
中谷宇吉郎 「温泉1」
...幼な心に目の前の花のみはしるく...
樋口一葉 「たけくらべ」
...いつうせにけん幼な心の...
一葉 「暗夜」
...幼な心に空想していた極楽世界を夢見ることも出来なくなっている...
正宗白鳥 「冬の法隆寺詣で」
...それは君子が幼な心に覚えている母の面影とよく似ていることだ...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...その當時の幼な心の寂しさは今でも忘れられぬ...
吉江喬松 「山岳美觀」
...幼な心に将来は騎手にならむかなどと思った...
吉川英治 「年譜」
...幼な心にも覚って来たか...
吉川英治 「源頼朝」
...――幼な心に記憶している都の様を脳裡にえがいていて...
吉川英治 「源頼朝」
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