...幸いに敵の襲撃は受けず...
上村松園 「余齢初旅」
...何が幸いになるか分らないもので...
海野十三 「火星探険」
...先生はくらがりを幸いに...
海野十三 「火星兵団」
...幸いにも、火星への距離はいよいよ近くなり、着陸まではまず持ちこたえられることが分かって乗組員たちの顔も大分明るくなった...
海野十三 「三十年後の世界」
...幸いにもちょうど北赤道海流の流れているその真上を飛んでゆくような航空路になっている...
海野十三 「太平洋魔城」
...健康を害している夫人は私という道づれが出来たのを幸いに...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...幸いに御安心を乞う...
大杉栄 「獄中消息」
...三軒の農家が埋まったが幸いに死傷はなかった...
田中貢太郎 「不動像の行方」
...是にて府下の騒擾も稍(やや)鎮静に及びたり」幸いにしてこの貧窮組は...
中里介山 「大菩薩峠」
...幸いに神尾を見知っている者は無く...
中里介山 「大菩薩峠」
...一九一九年のヴェルサイユ会議のときには、私は、フランスの大新聞「タン」、「マタン」、その他いくつかの雑誌に投書して、世界の問題を論じたが、幸いに、パリーに集まった世界の識者の注目を集めた...
蜷川新 「私の歩んだ道」
...幸いにして少年ブラームスの向学心は...
野村胡堂 「楽聖物語」
...幸いにして敗戦後の今日も...
正岡容 「わが寄席青春録」
...で、今日――ここに來て私のそばにをります女房は、これはまさしくわが家の女房でございますので(笑)――多少年はちがひますが、ひとり阿部眞之助老だけでなく、幸いに、ここにお集りの方々も、とくと御覽おきを願つて(笑)なほ將來よろしくおねがひいたしたいのであります...
吉川英治 「折々の記」
...――幸いに、尊氏夫妻のいた桟敷(さじき)はすこし傾いたのみで難もなかったのだが、あの折、舞台がかりの出(で)から半開きの扇を眉に見得(みえ)を見せた女役者のおもざしが「あっ、藤夜叉か?」と尊氏の眸をはっと怪しませ、ときも同時に、ごうぜんと、あたりの桟敷百十間(けん)がくずれ落ちて、死傷数百人という阿鼻叫喚(あびきょうかん)が、刹那(せつな)におこっていたのであった...
吉川英治 「私本太平記」
...あたりの騒音を幸いにそっと囁(ささや)いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...カンと金属的な音がそれにこたえたのをみれば、幸いにも、鎧(よろい)の金具が、矮虎の一命を救っていたものとはみえる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...幸いに、お前の先生はお前の言うことを聴(き)いていなかった...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??