...――事実でないのを確めたに就いて、我が最初の目的の達しられないのに失望したが、幸か、不幸か、浅間の社頭で逢った病者の名が、偶然貞造と云うのに便って、狂言して姉夫人を誘出(おびきだ)し得たのであった...
泉鏡花 「婦系図」
...それが天から与えられた人間の幸福な半面と言えない事もないと思うのであります...
高浜虚子 「俳句への道」
...明くる日の朝は、先ず広沢の池のほとりへ行って、水に枝をさしかけた一本の桜の樹の下に、幸子、悦子、雪子、妙子、と云う順に列(なら)んだ姿を、遍照寺山を背景に入れて貞之助がライカに収めた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...その習慣は幸子が貞之助と結婚するつい前の晩まで続いたのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...彼女はいつも幸子たちの前ではせいぜい過しても一二合ぐらいなのであるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...家(いえ)には幸い空間(あきま)もある食物もある...
永井荷風 「監獄署の裏」
...「それから幸内や...
中里介山 「大菩薩峠」
...何となく一番幸福者のやうに感じたのだつた...
南部修太郎 「疑惑」
...幸ひ新聞で君が札幌にゐると知つたから...
野口雨情 「札幌時代の石川啄木」
...幸いにして少年ブラームスの向学心は...
野村胡堂 「楽聖物語」
...未来の漠然たる幸福――幸福があるだらうといふ運命の予約――を期待して居る...
萩原朔太郎 「易者の哲理」
...室生の幸福は、單にまたそればかりではない...
萩原朔太郎 「所得人 室生犀星」
...幸運は巡るって言うじゃないですか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...精神上の不幸のように心から滲み出して...
「一本の花」
...午前十時に行幸があって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...幸いに人畜に被害も無く...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...あの二人とても幸福な御夫婦になるにきまってますもの...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
...幸いに耄及愚翁本は助かったとする...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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