...理性を神にしたヴォルテエルの幸福に一生をおわったのはすなわち人間の河童よりも進化していないことを示すものである...
芥川龍之介 「河童」
...また一つにはいきなり町におむかえして不幸な人々に不意な喜びをさせようというので...
有島武郎 「かたわ者」
...幸...
ポオル・クロオデル Paul Claudel 上田敏訳 「カンタタ」
...まだしもの幸いだった...
海野十三 「空襲警報」
...鹿のやうに尻(し)つ尾(ぽ)の短い女学生を預つてゐる自分の身の幸福さを思ふらしかつた...
薄田泣菫 「無学なお月様」
...それも幸子の気のせいかも知れなかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...不幸なるラート教授が陋巷(ろうこう)の闇(やみ)を縫うてとぼとぼ歩く場面でどことなく聞こえて来る汽笛だかなんだかわからぬ妙な音もやはりそういう意味で使われたものであろう...
寺田寅彦 「映画芸術」
...そして倫理学は人生――その理想は幸福である――に役立とうために...
戸坂潤 「科学方法論」
...そして彼女等の幸福は...
豊島与志雄 「都会に於ける中流婦人の生活」
...幸田兩博士の研究に於て...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...または浄瑠璃が歌う義理人情のわずらわしさをもまだ経験しない幸福な富裕な町家(ちょうか)の娘...
永井荷風 「夏の町」
...この意味で取入っておくことが幸いであると気がつきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...何となく一番幸福者のやうに感じたのだつた...
南部修太郎 「疑惑」
...瀬谷の云ふほどの女ではなかつた事が牧田氏を幸福にした...
林芙美子 「浮雲」
...峠(とうげ)の上りも下りもみんなほんとうの幸福(こうふく)に近づく一あしずつですから」燈台守(とうだいもり)がなぐさめていました...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...不幸だったころと今とがこんなことにも比較されて考えられる玉鬘(たまかずら)は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そんな幸福がどこかにあるというのですか...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...光厳上皇の御幸、諸国の大名衆の上洛、またこの平和的盛事を見ようと、近郷近国から集まる男女など...
吉川英治 「私本太平記」
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