...お世辞だと知りつつ年甲斐もなく嬉しくなってしまうのを私にはどうすることも出来なかった...
上田広 「指導物語」
...だが年甲斐もなく素っ飛ばしたことについちゃ今夜...
海野十三 「深夜の市長」
...蘭堂は年甲斐もなく...
江戸川乱歩 「悪霊物語」
...金雀枝(えにしだ)の茂みのかげから美々しく着飾ったコサック騎兵が今にも飛び出して来そうな気さえして、かれも心の中では、年甲斐もなく、小桜縅(おどし)の鎧(よろい)に身をかためている様なつもりになって、一歩一歩自信ありげに歩いてみるのだが、春の薄日(うすび)を受けて路上に落ちているおのれの貧弱な影法師を見ては、どうにも、苦笑のほかはなかった...
太宰治 「花燭」
...」私は年甲斐もなく...
太宰治 「富嶽百景」
...年甲斐もなく鍵を掛けた妻の寝室の扉に体当りでもしかねまじいのを...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...今更ながら年甲斐もなく狼狽(ろうばい)せずにはいられなかったのです...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...年甲斐もなく浮れ騒いだ...
種田山頭火 「其中日記」
...年甲斐もなくばかなことをしたものだよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...七兵衛とても、年甲斐もなく、女にうつつを抜かしたというわけではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...板倉屋の主人万兵衛は年甲斐もなく女癖(おんなぐせ)が悪く...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...板倉屋の主人萬兵衞は年甲斐もなく女癖(をんなぐせ)が惡く...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...年甲斐もなくお隣りの後家に氣があつたさうですよ」「それはわかつて居るが」「侍だつてこちとらだつてあれ程の後家の隣りに住んで居ると壁に穴をあけ度くなる人情に變りはありませんね」「それつきりか」「それつきりなら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...年甲斐もなくワナワナ顫(ふる)えて居ります...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...――お前という美しい――」熊谷三郎兵衛は年甲斐もなく椅子を寄せて...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...「運命の分かれ道だ! 彼は女に親切だ、年甲斐もなく、へえー、老プレイボーイだな」彼はそう言いながら大きな手をクリストフの頭の上に置いたので、クリストフはさいころのようにくるりと一回転した...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...年甲斐もなく女などの事件で家庭に風波を起させたり……親爺よ...
牧野信一 「スプリングコート」
...年甲斐もなくソンナ別嬪(べっぴん)に肱(ひじ)鉄砲を喰って...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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