...年々歳々洪水のあるたびに害毒を加えるだろう...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...鉱毒被害も年々歳々ほかよりも数等ひどい...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...かような奇談もあるくらい、屋号ばかりは記憶されているのであるゆえ、東京市中十万の商店中毎年代がわりするもの少なくとも一万戸を下らずといえども、世人の多くはその代がわりの多きを知らず、年々歳々、各商店の繁栄を加うるものと信じて、同一の商店より買物をなしつつあるのである...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...年々歳々かかる不生産的のことに向かってその富を投ずるは...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...年々歳々東西南北の諸大名が...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...其實は年々歳々未だ經ざる大宇宙間を旋轉して進行する者ならざるを得ず...
内藤湖南 「學變臆説」
...努(つと)めて幼少の時に描(えが)いた理想を養(やしな)うことは年々歳々(ねんねんさいさい)枯(か)れゆく心の色香(いろか)を新たむるの道であろうと信ずる...
新渡戸稲造 「自警録」
...年々歳々益々低落の度を深めて来て居るといふ事実である...
萩原朔太郎 「流行歌曲について」
...のみならず、降雪はかならず暴風中にはじまるから、雪はすべて吹雪のかたちになり、積もるより吹き飛んでしまうほうが多い、そのため南極大陸の景観は、年々歳々、いささかも変化しないという、ふしぎなことがもちあがる...
久生十蘭 「南極記」
...そこで年々歳々村祭りの日ともなれば...
牧野信一 「バラルダ物語」
...しかしその鞭根は年々歳々ほんの少しばかりずつ経済的に筍の小出しをやっているのである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...それが年々歳々徹底して...
三宅周太郎 「中村梅玉論」
...年々歳々どこから生活に対するこのような愛や信を獲て来るのでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...『婦人之友』は自由学園で年々歳々暮しにはこまらない亜流インテリゲンツィアの細君をつくっているから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...こんな騒ぎを景物にして浅草の酉の町は年々歳々たいした人出...
山本笑月 「明治世相百話」
...琵琶湖の色は年々歳々死んで行くやうに見えるが...
横光利一 「琵琶湖」
...かつての年、正成がみかどの召(めし)にこたえて、みずからここの館(たち)も焼きすてて千早(ちはや)の上にたてこもったときは、もうこの桜も枯死したかと惜しまれたが、年々歳々、春が来れば、花はこの老木からまえにもまして万朶(ばんだ)にたわわな精を咲かせた...
吉川英治 「私本太平記」
...年々歳々、ことばは同じ、年々歳々、意味同じからず...
吉川英治 「随筆 新平家」
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