...たとえ年々歳々、ここにもまた人生の喜怒哀楽はさけがたかったとしても、まことに農民たちにとっては、自然の恵みを残りなく甘受できる安居楽業の地であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...年々歳々洪水のあるたびに害毒を加えるだろう...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...年々歳々何の変化も無い様に思ふのは...
丘浅次郎 「人類の将来」
...かような奇談もあるくらい、屋号ばかりは記憶されているのであるゆえ、東京市中十万の商店中毎年代がわりするもの少なくとも一万戸を下らずといえども、世人の多くはその代がわりの多きを知らず、年々歳々、各商店の繁栄を加うるものと信じて、同一の商店より買物をなしつつあるのである...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...人間の飲食物に対する嗜好は年々歳々高尚に趣くから...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...年々歳々金に困つて町人から金を借りるのですが...
竹越與三郎 「日本の眞の姿」
...年々歳々春が来て...
辰野九紫 「青バスの女」
...如此(かくのごと)き社会においては年々歳々人相異るも年々歳々事相同じであって...
津田左右吉 「流れ行く歴史の動力」
...年々歳々かかる不生産的のことに向かってその富を投ずるは...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...年々歳々唯政党の勢力次第に膨脹するを見るのみ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...年々歳々(さいさい)感ずる痛(いたみ)には相違なかったのであります...
夏目漱石 「私の個人主義」
...庭の樹を見ても年々歳々同じからずして...
新渡戸稲造 「自警録」
...努(つと)めて幼少の時に描(えが)いた理想を養(やしな)うことは年々歳々(ねんねんさいさい)枯(か)れゆく心の色香(いろか)を新たむるの道であろうと信ずる...
新渡戸稲造 「自警録」
...この鎧植騒ぎが起るやいなや桐渡ガラドウは即座に年々歳々の賽銭の高を計上して...
牧野信一 「バラルダ物語」
...年々歳々どこから生活に対するこのような愛や信を獲て来るのでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...年々歳々政府と議会と感情的の喧嘩ばかりしていて国家の文明を進める仕事は滅多(めった)にした事がない...
村井弦斎 「食道楽」
...江戸は年々歳々(ねんねんさいさい)の御触出(おふれだ)しあるがゆえに...
柳田国男 「母の手毬歌」
...かつての年、正成がみかどの召(めし)にこたえて、みずからここの館(たち)も焼きすてて千早(ちはや)の上にたてこもったときは、もうこの桜も枯死したかと惜しまれたが、年々歳々、春が来れば、花はこの老木からまえにもまして万朶(ばんだ)にたわわな精を咲かせた...
吉川英治 「私本太平記」
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