...たとえ年々歳々、ここにもまた人生の喜怒哀楽はさけがたかったとしても、まことに農民たちにとっては、自然の恵みを残りなく甘受できる安居楽業の地であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...年々歳々洪水のあるたびに害毒を加えるだろう...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...鉱毒被害も年々歳々ほかよりも数等ひどい...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...今日まで百貨店からは年々歳々欧米に人を派遣して...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...年々歳々金に困つて町人から金を借りるのですが...
竹越與三郎 「日本の眞の姿」
...この短篇集、「晩年」は、年々歳々、いよいよ色濃く、きみの眼に、きみの胸に滲透して行くにちがいないということを...
太宰治 「もの思う葦」
...年々歳々春が来て...
辰野九紫 「青バスの女」
...野生の鳥獣が地震や風雨に堪えるようにこれら未開の民もまた年々歳々の天変を案外楽にしのいで種族を維持して来たに相違ない...
寺田寅彦 「天災と国防」
...されば欧州諸国の人民は年々歳々いくばくの軍費を負担するか...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...年々歳々唯政黨の勢力次第に膨脹するを見るのみ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...庭の樹を見ても年々歳々同じからずして...
新渡戸稲造 「自警録」
...努(つと)めて幼少の時に描(えが)いた理想を養(やしな)うことは年々歳々(ねんねんさいさい)枯(か)れゆく心の色香(いろか)を新たむるの道であろうと信ずる...
新渡戸稲造 「自警録」
...年々歳々益々低落の度を深めて来て居るといふ事実である...
萩原朔太郎 「流行歌曲について」
...のみならず、降雪はかならず暴風中にはじまるから、雪はすべて吹雪のかたちになり、積もるより吹き飛んでしまうほうが多い、そのため南極大陸の景観は、年々歳々、いささかも変化しないという、ふしぎなことがもちあがる...
久生十蘭 「南極記」
...そこで年々歳々村祭りの日ともなれば...
牧野信一 「バラルダ物語」
...しかしその鞭根は年々歳々ほんの少しばかりずつ経済的に筍の小出しをやっているのである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...それが年々歳々徹底して...
三宅周太郎 「中村梅玉論」
...こんな騒ぎを景物にして浅草の酉の町は年々歳々たいした人出...
山本笑月 「明治世相百話」
便利!手書き漢字入力検索