...この時には事件がやや平穏になっていた時なので...
愛知敬一 「ファラデーの伝」
...平穏に、無事に、日々が過ぎて行きました...
梅崎春生 「Sの背中」
...他人のために多くのことをし、自分も平穏に、ほとんど幸福に日を過ごしたということは、君も知っている通りである...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...女は四号室に平穏に眠つて居り...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...平穏に存続して来たMハブラシ工場の組合分会の中にも...
武田麟太郎 「反逆の呂律」
...間もなく平穏に帰す...
谷譲次 「踊る地平線」
...厄日を無事平穏に通り越して...
種田山頭火 「其中日記」
...発作が過ぎ去って顔だちも平穏に返ってから...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そういう意味において、人間にも、人間のうちの選ばれた偉人英雄といったような種類の人にしてからが、逢うて強烈な感激を受ける人もあれば、逢うて失望こそしないが、案外の平穏に、茫然自失するといったような種類の偉人もありましょう」「それは、あるかも知れません」「たとえば――私は、いつぞや君から、日蓮上人のことを鼓吹せられて、全く新しい世界を見せられたように感じました、そして、私の癖として、一応君から教えられたところを追従して、遅蒔(おそま)きながら日蓮上人の研究をはじめたことは、君も御存じの通りです」「いやはや」「あれから、僕の研究癖というようなものが嵩(こう)じて、日蓮について、まず現在のところで能(あと)うだけの研究をしてみたつもりだが、日蓮を研究して得たところのものは、やはり君に教えられたところ以上には出でることができなかったが、案外にも、日蓮を研究して、他の大きなものに突き当ったことは、まだ君に話さなかった」「聞きません――お弟子がお弟子だから、さだめてすばらしい出藍(しゅつらん)ぶりと存じます、どうか、この鈍骨の先達(せんだつ)に、その研究の結果をここで教えて下さい」「なあに、それほどの創見でもなんでもないのだが、日蓮を知る者は、どうしても法然(ほうねん)を知らなければならない、というの一事を見出しました」「法然――浄土宗の法然上人ですか」「そうです、法然と、日蓮とは、他人ではありません」「これは斬新なお説を承ります、古来、法華と門徒とは、仲の悪い標本の大関ものと見立てられていますぜ...
中里介山 「大菩薩峠」
...平穏に生きて居られるのは只盲目な偶然な自然の現象だとのみ思へますか...
長與善郎 「青銅の基督」
...而(そし)て小田夫妻は極めて平穏に...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...そして村全体が平穏になり...
堀辰雄 「三つの挿話」
...特にこの句に更衣を用ゐたるは今は二人の者が世帯を持ちて平穏に暮らしをる事を現はさんがためにして...
正岡子規 「俳諧大要」
...平穏に巣ごもった男女の恋着のなま暖かさはない...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...文政六年は蘭軒の家に於て平穏に迎へられた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...10855国内は平穏になって...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...前にもまさる平穏に返っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...――洛中諸所もはや平穏に復し...
吉川英治 「源頼朝」
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