...平穏な、その代わり死んだも同然な一生がなんだ...
有島武郎 「或る女」
...群衆のまん中で写生をするのは困難であったが、その群衆とても米国の同様な博覧会群衆にくらべれば、平穏な海である...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...「もう少し平穏なところに載せていっておやり!」と言いつけた...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...実に平穏なものだった...
大杉栄 「日本脱出記」
...先ずは平穏な日日を送っている...
外村繁 「日を愛しむ」
...平穏なしかも恐ろしいしかも無慈悲にもひとり満足せる精神である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...汽船に乗って平穏な時さえも食事などが充分に出来なかった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...嘘のような平穏な航海で見張員が無聊に苦しむくらいだった...
久生十蘭 「ノア」
...平穏な顔で鼾をかいていた...
久生十蘭 「フランス伯N・B」
...食卓では平穏な生活の喜びについて談話が進められていたが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...かく平穏なる間隙(かんげき)は潮の干満の交代時に...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...何んなかたちになつて現れたか知れないが兎も角樽野は平穏な己れの姿を再び此処に見出さなかつたらう...
牧野信一 「円卓子での話」
...私が絶えず平穏な規則的な世の動きを見て来たところに...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...外的に束縛のない超世間な平穏な生きかたをしていればいるほど...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...何と永い間こういう平穏な時が彼らの上に訪れて来なかったことであろう...
室生犀星 「姫たちばな」
...とにもかくにも平穏な新年を迎へ得たものと見られる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...池の端の父親を尋ねてその平穏な生活を目(ま)のあたり見ては...
森鴎外 「雁」
...彼の生涯よりもずっと一様な・ずっと平穏な・ずっと落ちついた・一生を送ったのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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