...健は平然として答へた...
石川啄木 「足跡」
...平然として浩さんは自分の生活を生活した...
犬田卯 「沼畔小話集」
...そして聖書がかかる言辞を平然としてそのまま載せおる以上は...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...どっかへお出ましじゃなかったの」「昨夜は片町の御親戚へいらっしゃいました」書生は平然として答えた...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...平然として一カ月の猶予を与えた相手の自信に圧倒された形で...
江戸川乱歩 「影男」
...しかもその罪をまったく無関係な一人の愚鈍な男にたくみになすりつけて平然としている...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...彼は平然として、「私の描いた絵を見て下さい、実に不思議な色彩を見出すでしょう? 絵は彼女自身の肖像であり、彼女の肉体を溶したもので描いてやったのです、何という素晴しい記念品ではありませんか」と云ったという...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「素晴しい記念品」
...太子もまた平然として何事をも言われなかったから私一人不躾(ぶしつけ)に口を出すわけにもならず...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...俗物たちが妾(めかけ)をもって平然としているように...
田中英光 「野狐」
...無頼漢どもから成る一軍の荒々しい意志を統御し、また平然として、皆の者から裏切られ孤立しながらも、その大胆な明識と女らしい機敏さとやさしい熱心とで、数か月の間、周囲を取り巻いてる教会と法律との徒輩の――血走った眼をしてる狐狼(ころう)の――威嚇(いかく)と偽善的な詭計(きけい)とを、失敗に終わらせていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」千枝子はもう平然として静かな笑みを顔に浮かべた...
豊島与志雄 「波多野邸」
...中流民らは平然として...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...平然として遊蕩に耽っているのである...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...納豆(なっとう)にお茶漬を三杯もかき込んで平然としている...
永井荷風 「妾宅」
...無頓着ならば食卓の上に便器があっても平然として食事ができるはずであります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...彼等は平然として言ふのである...
萩原朔太郎 「易者の哲理」
...平然として死んだとか死を待ったとか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...平然としている...
吉田甲子太郎 「秋空晴れて」
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