...誠之助一人平然として赴きたりと云ふ...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...彼は平然として、「私の描いた絵を見て下さい、実に不思議な色彩を見出すでしょう? 絵は彼女自身の肖像であり、彼女の肉体を溶したもので描いてやったのです、何という素晴しい記念品ではありませんか」と云ったという...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「素晴しい記念品」
...彼は平然としているか...
太宰治 「親友交歓」
...「……見せていただけません?」「へえ……見せるのはお見せしてもかまいませんがね……一体どちらから貴方がたはお出でになったんでしょうかね?」「パセオ・デ・コロンからまいったんですのよ」と妻はまた平然として口から出任せの嘘を吐いた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...ゆるゆる話して往かるるがいい」横山は平然としていた...
田中貢太郎 「義人の姿」
...俗物たちが妾(めかけ)をもって平然としているように...
田中英光 「野狐」
...」と彼は平然として最後に答えました...
豊島与志雄 「香奠」
...「どうなすったの?」と彼女は平然として尋ねた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...殺戮(さつりく)のさなかにあっても平然として...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」吉村は愉快そうに云ったが、李は別に悄気るでもなく得意がるでもなく、平然としていた...
豊島与志雄 「鳶と柿と鶏」
...私は平然として見向きもしなかった...
豊島与志雄 「理想の女」
...平然としていたが...
直木三十五 「死までを語る」
...なほかつ平然としてこれを写生せるが如き...
永井荷風 「江戸芸術論」
...物外に平然として...
夏目漱石 「それから」
...私は極めて平然としてゐた...
北條民雄 「発病」
...教えて下さいな」ジェシの声は平然としていたが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...実に平然としてピサロのなすがままに委せていたのである...
和辻哲郎 「鎖国」
...平然として領地を捨てた高山右近の態度は...
和辻哲郎 「鎖国」
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