...平然とあぐらをかいた乞食は髭(ひげ)だらけの顋(あご)をさすりながら...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...「もうそれも平気になった」と彼は頗(すこ)ぶる平然として語ったが...
岩村透 「死体室」
...正造は案外に平然ときき流して...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...彼は平然としているか...
太宰治 「親友交歓」
...他人が苦しむのを平然と看過しながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして、自分を討ちに来ている者と並んで、静かに、平然として、歩いておれた...
直木三十五 「南国太平記」
...平然と戸口に立っていいました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...平然として吉原遊廓へ登り込んだ...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...平然と南々東に進路をとった...
久生十蘭 「フランス伯N・B」
...または皮肉な様子で平然としていたのだった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...もうすつかり慣れて平然と静寂を保つてゐる街の頭上をかすめ...
牧野信一 「環魚洞風景」
...かれは平然と濁流に飛びこんで下流まで泳いで行つて...
室生犀星 「めたん子傳」
...平然として死んだとか死を待ったとか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...出てうせろ」「縁切りだなんて恰好(かっこう)つけたこと云うんじゃないよ」あさ子は平然と云い返した...
山本周五郎 「青べか物語」
...平然としておられるかね」と...
吉川英治 「三国志」
...そして、密偵の八荒坊に出会っても驚かず、散所ノ太夫義辰を訪ねても、すべてを平然と、打明けていたものにちがいない...
吉川英治 「私本太平記」
...それゆえ平然とできたのだ...
吉川英治 「随筆 新平家」
...――ところが、平然と、ありのままな姿を灯(ひ)に曝(さら)して、その武蔵が総門を出て来たので、彼らはむしろぎょっとして、いきなりその前へ立ち塞(ふさ)がるものもなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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