...凡(およ)そ泥棒と名のつく人間の誰でもやるであろうところの平々凡々の手だ...
海野十三 「柿色の紙風船」
...平々凡々の陸行であったので特に書き記すほどのこともない...
高浜虚子 「富士登山」
...又假りに剽竊でなく創意であつても猶平々凡々であり...
寺田寅彦 「天文と俳句」
...平々淡々なりとも安んじてはいないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ九十九里だけが平々凡々たる海岸の風景...
中里介山 「大菩薩峠」
...この平々凡々たる大海のある部分に波が立つとか...
中里介山 「大菩薩峠」
...平々かんかんとして川渡りを試みらるる自由は...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼女の一生は実に平々凡々なものであつた...
中原中也 「デボルド―※[#濁点付き片仮名ワ、1-7-82]ルモオル」
...あるいは平々淡々のうちに人を引き着ける垢抜(あかぬ)けのした著述を推(お)すもいい...
夏目漱石 「作物の批評」
...心つねに平々坦々(たんたん)として...
新渡戸稲造 「自警録」
...平々凡々な生活であつた...
林芙美子 「濡れた葦」
...餘り祕密とすべき大切な物が無く却て平々凡々のものが多い...
松本文三郎 「印度の聖人」
...案外これで平々凡々な一生を送るんでしょ...
三好十郎 「冒した者」
...その平々凡々振りが又なかなか容易に真似られないのだから不思議である...
夢野久作 「近世快人伝」
...持って生れた平々凡々式で...
夢野久作 「近世快人伝」
...その一見、平々凡々な、何んでもない出来事の連続のように見える彼女の虚構の裡面(りめん)に脈動している摩訶(まか)不思議な少女の心理作用の恐しさ...
夢野久作 「少女地獄」
...妾の一生はこのまんまで平々ボンボンのままおしまいになるのでしょうか...
夢野久作 「少女地獄」
...平々凡々と口をさし控えているだけのことであった...
吉川英治 「新書太閤記」
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