...若いのだか年老りだか分らないやうな干からびた貧相な顔をした此の男が金貸しをしたいといふのを怪しむように...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...干からびた口を爺さんの耳へ持つて往つた...
薄田泣菫 「茶話」
...荒木夫人は干からびたような嘲笑(わらい)を洩(もら)して「ああそういうんですか? それでお前さんは...
竹久夢二 「少年・春」
...標本のやうに干からびたり...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...それまでは藤棚から干からびた何かの小動物の尻尾のように垂れていた花房が急に伸び開き簇生(そうせい)した莟(つぼみ)が破れてあでやかな紫の雲を棚引かせる...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...眼のしょぼしょぼした干からびた婆さんと...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...鈎(かぎ)につるした薩摩揚(さつまあ)げは干からびたせんべいのようにそりかえっていた...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...小さな干からびたような男が...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「グロリア・スコット号」
...卓へ向いて五粒の干からびた橙の種をふるい落とした...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...皮の干からびたような最中(もなか)に...
徳田秋声 「足迹」
...干からびたような水菓子を買っている加世子と女中の姿が...
徳田秋声 「縮図」
...世間の文学の玄人や素人からコチコチの干からびたものだと考えられているらしい所謂リアリズム(リアリズム一般)に自ら耐え得ないと称して...
戸坂潤 「思想としての文学」
...干からびた鼠(ねずみ)のような俺(おれ)が――ここにはいるんだって? わしゃ...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
...その女は二十八という年よりずっと干からびた体であった...
宮本百合子 「刻々」
...干からびた球根から咲き出たのが列べてあった...
森鴎外 「サフラン」
...皺(しわ)だらけで干からびたような顔や手足は...
山本周五郎 「さぶ」
...梅八が妙に干からびたような声で云った...
山本周五郎 「新潮記」
...干からびたように...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??