...若いのだか年老りだか分らないやうな干からびた貧相な顔をした此の男が金貸しをしたいといふのを怪しむように...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...干からびた木の葉を一とくるめに巻きこんだ小包を受けとりました...
鈴木三重吉 「勇士ウ※[#小書き片仮名ヲ]ルター(実話)」
...干からびた口を爺さんの耳へ持つて往つた...
薄田泣菫 「茶話」
...四つばかり干からびた死骸のあるのを見つけた...
田中貢太郎 「太虚司法伝」
...干からびた顔の皮は紙のやうになつて...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...干からびたいわゆるプロフェッサーとはだいぶ種類がちがっている...
寺田寅彦 「アインシュタイン」
...それまでは藤棚から干からびた何かの小動物の尻尾のように垂れていた花房が急に伸び開き簇生(そうせい)した莟(つぼみ)が破れてあでやかな紫の雲を棚引かせる...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...そしてやはり干からびた木乃伊(ミイラ)のような人物が点在している...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...干からびた橙の種が五粒...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...干からびた種が五粒...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...皮の干からびたような最中(もなか)に...
徳田秋声 「足迹」
...干からびた犯罪どこから犯人は逃走した?ああ...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...干からびた鼠(ねずみ)のような俺(おれ)が――ここにはいるんだって? わしゃ...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
...大柄ななりに干からびたような反歯(そっぱ)の顔を見ているうちに...
宮本百合子 「高台寺」
...声は干からびた喉から出るやうに聞える...
クスミン Mikhail Alekseevich Kuzmin 森林太郎訳 「フロルスと賊と」
...梅八が妙に干からびたような声で云った...
山本周五郎 「新潮記」
...干からびたように...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...干からびた捕縄をつかみ取ると...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
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