...幕は、――さあ、その幕だが、一場一場を区別する為には、全然幕を使用しない...
芥川龍之介 「上海游記」
...倉皇(そうこう)とさっきの幕を引いた...
芥川龍之介 「将軍」
...後年幕府追討のはかりごとにやぶれさせ給い隠岐(おき)のしまに十九年のうきとしつきをお送りなされて波のおと風のひびきにありし日のえいがをしのんでいらしった時代にももっともしげく御胸の中を往来(ゆきき)したものはこの附近の山容水色とここの御殿でおすごしになった花やかな御遊(ぎょゆう)のかずかずではなかったであろうか...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...ここにおいて枉(ま)げて討幕のまた已(や)むべからざるを識認したり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...同六日米艦本牧(ほんもく)に入る、幕閣みな震う、会議夜に徹して、さらに定まれる廟算(びょうさん)なし...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...中間の幕府を通さずして直接の交渉を開けり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...「幕府も、いろいろ手を延して、早く、斉彬公の世にしてと、阿部閣老あたり、それとなく匂わしておるが――一得一失でのう」「一得一失とは」「お前には判らん」百城が廊下へ膝をついて「まだ差立てませぬと、申しておりました」「いかんのう――兵制を改めて洋式にしたので、異国方め、ぶうぶう申しておる最中に、廃止手当を遅らせては――」調所は、国許の反由羅党、反調所党の顔触れを見た時、すぐそれが斉彬擁護の純忠のみでなく、兵制改正、役方任廃に就いての不平者、斉彬が当主になれば出世のできる青年の多いことが目についた...
直木三十五 「南国太平記」
...舞台では何か軍事劇の幕があいてゐるところと見えて砲声と共に楽屋の裏まで煙硝の匂が漂ひ...
永井荷風 「勲章」
...それを聞き深めていた吉隆は、沈痛な返事をもってこれに答えた、「意見の相違、是非に及ばぬことだ、然(しか)らば貴殿は貴殿の計画に任じ、思うように計り給え、拙者は拙者として、このまま会津征伐に馳(は)せ加わるのみじゃ」「全く以て、是非に及ばぬこと」ここで舞台が暗くなると共に、幕が落ちた...
中里介山 「大菩薩峠」
...除幕式には、当時の総理大臣吉田茂氏や、広川弘禅氏から花輪が来た...
野村胡堂 「胡堂百話」
...与力(よりき)格をもって幕府に召抱えられた――同様に...
服部之総 「新撰組」
...走って揚幕へ消える)段六 あれでごぜえますか...
三好十郎 「斬られの仙太」
...此日長谷寺には阿部家の命に依つて黒白の幕が張られた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...突然幕(とばり)のうちで...
吉川英治 「三国志」
...現幕府にそんな余裕などはない...
吉川英治 「私本太平記」
...そちの幕下(ばっか)となった評判(ひょうばん)の才蔵か...
吉川英治 「神州天馬侠」
...新たに設けられた幕府の職制...
吉川英治 「柳生月影抄」
...そしてよい師に就くことが肝腎(かんじん)だ)と、懇切なことばの後に、江戸へ出たら、同封の紹介状を携(たずさ)えて、幕府のお旗本、窪田(くぼた)助太郎どのの門をお訪ねしてみるがよい――と結んであった...
吉川英治 「山浦清麿」
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