...折柄満開の桜の木かげに幔幕(まんまく)を繞(めぐ)らし毛氈(もうせん)を敷いて...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...八幡宮の鳩と武田菱(たけだびし)との幔幕(まんまく)が張りめぐらされてあり...
中里介山 「大菩薩峠」
...いくたびか雨にうたれた染分の幔幕を以て圍まれて居ることである...
長塚節 「撃劍興行」
...引廻してあつた幔幕が取り除かれる頃やうやく木戸口はすいて來た...
長塚節 「撃劍興行」
...正面には白の幔幕が張りつめてあつてチヨン髷結つた七十以上と見えるひよろ/\した老人と若者とが麻裃をつけて端然として居る...
長塚節 「佐渡が島」
...後ろの幔幕について居る男が時々白紙を以て後から汗を拭いてやる...
長塚節 「佐渡が島」
...春は幔幕のかげにゆらゆらとして遠く俥にゆすられながら行つてしまつた...
萩原朔太郎 「青猫」
...白と淺黄に染分けた斑幔で圍ひ廻らして人目を遮り...
羽田亨 「賢所御神樂の儀」
...紺の幔幕の外を、「ドテラ婆さん」が、千鳥足で、通りすぎた...
火野葦平 「花と龍」
...子分たちのくれた幔幕もある...
火野葦平 「花と龍」
...「玉井春昇さんへ」と染め抜いた紺の幔幕(まんまく)が張りめぐらしてある...
火野葦平 「花と龍」
...街には軒並みに赤い幔幕が張られ...
牧野信一 「熱海線私語」
...禁じ得ぬ――見よ! その紫幔幕(むらさきまんまく)がしぼられたあたりに...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...そのお揃ひの幔幕のほかの部分は...
三好達治 「銀座街頭」
...食堂は二十間に八間の長方形にて周囲は紅葉流(もみじなが)しの幔幕(まんまく)を張詰め...
村井弦斎 「食道楽」
...兄上はどうした」幔幕(とばり)をうしろの床几(しょうぎ)に腰かけて...
吉川英治 「私本太平記」
...あなたの幔幕(まんまく)やこなたの鯨幕(くじらまく)のうちで...
吉川英治 「神州天馬侠」
...その信長の幕営の裏から――幔幕(まんまく)をかなぐり上げて...
吉川英治 「新書太閤記」
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