...常住坐臥に不愉快なことがあったとしても...
太宰治 「作家の像」
...貸し方の男には常住坐臥不断に片手に十露盤(そろばん)を持つべしと命じて迷惑させるのも心理的である...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...この花やかにしゃちこばった気分がドイツ大学生特にいわゆるコアー学生の常住坐臥(じょうじゅうざが)を支配しているように思われるのであった...
寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
...彼は村田清風の手書に係る、司馬温公の「吾れ人に過ぎるもの無し、但(た)だ平生の為す所、未(いま)だ嘗(かつ)て人に対して言うべからざるもの有らざるのみ」の語を守袋に入れ、常住坐臥、その膚を離さざりしという...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...しかしあんな奴の視線を常住坐臥に意識していなければならないとすれば...
外村繁 「日を愛しむ」
...常住坐臥の姿に於て...
豊島与志雄 「表現論随筆」
...知らず知らず些細(ささい)なる常住坐臥(じょうじゅうざが)の間(あいだ)に現われるためであろうか...
永井荷風 「妾宅」
...あたかも家庭の間で昨日(きのう)まで常住坐臥(じょうじゅうざが)使っていたかのごとく...
夏目漱石 「坑夫」
...常住坐臥(じょうじゅうざが)国家の事以外を考えてならないという人はあるかも知れないが...
夏目漱石 「私の個人主義」
...温補壮陽の妙薬として常住坐臥食い通した貴族富人が多かった...
南方熊楠 「十二支考」
...先生には常住坐臥(ざが)...
山本周五郎 「松林蝙也」
...彼は常住坐臥あまり人間のことなど考えていそうでもなく...
横光利一 「旅愁」
...初めは、耳朶の端にできた小さな疣だったが、常住坐臥、原稿を書き、恋を語るまも、それをいじるのが、癖となって――イヤ趣味なり快味と迄なって、疣の年経ること十数年、今では、乾葡萄のような色と大きさに育ってしまい、頗るグロテスクな耳環をぶら下げている...
吉川英治 「くせ」
...これぞ優婆塞(うばそく)が常住坐臥に身を離さぬ戒刀になぞらえて...
吉川英治 「剣難女難」
...その愛着の容子(ようす)は、常住坐臥、寝てもさめても朱革(しゅがわ)の櫃(ひつ)の無事から寸分も心は離れない人かのようであった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...これは常住坐臥の愉しい友としてつきあえる...
吉川英治 「雪村筆「茄子図」」
...「そうだ、書いておこう」なにを思いついたか、彼は常住坐臥、肌身を離さずに持ち歩いている武者修行風呂敷を解きはじめた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...常住坐臥、武士は太刀をたましいとして持っているので、太刀を習練するのは、常に魂を研(と)いでいることになるゆえ、戦場で多少の不利はあっても、太刀を本位として武芸は研(みが)くべきだと心得る...
吉川英治 「宮本武蔵」
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