...常々最も順風を願ふ...
太宰治 「津軽」
...あなたが常々お話になる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...常々自分が戦国の世に生れなかったことを悔しく思っていたところ...
藤野古白 藤井英男訳 「戦争」
...常々親しく往来してゐるといふことを...
牧野信一 「或る日の運動」
...その作者に敬意を払はずには居られないのが常々である...
牧野信一 「「樫の芽生え」を読みて」
...一同は常々、娘の居酒屋の常連で、娘に同程度の関心を持つ者であつたが、(私も――)娘は、私達の中で最も若く、そして生真面目な三原に、露はな好意を示し、三原となら結婚をしたい! と私に云つたことがある...
牧野信一 「川を遡りて」
...彼の如く偽つたりすることはないらしい――彼は常々父をさう思つてゐた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...いうまでもなくこの三人の者は常々不和の仲で...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...常々彼女と往来などで出遇ひ...
牧野信一 「晩春の健康」
...常々祖父は、安政の地震の怖しさを語つたことがある...
牧野信一 「貧しき日録」
...常々の自分の勤勉に味噌をつけるものだと彼は固く信じてゐた...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...常々石州半紙を好む私は...
柳宗悦 「和紙十年」
...あれいらいはお目にもかかれず、常々、お噂もしては、おなつかしく存じておりました...
吉川英治 「新・水滸伝」
...常々、心がかりになっていたことでもあるし、この青蓮院へついてもまっ先にその後の消息をたずねたいと思っていたのでもあるが、まさか、髪を剃(お)ろして、ここにいるとは思わなかったし、師の慈円も、そんなことは少しも話に出さなかったので、彼は驚きの眼をみはったまま、「おお……」とはいいながらも、しばらく、弟の変った姿に茫然(ぼうぜん)としていた...
吉川英治 「親鸞」
...「――常々、申すとおり、念仏門は、一切他力本願です、愚者悪者も、浄土に、洩らすまいというのが本願である道に、なんで、さような差別がありましょう、疑われるな、ただ、念仏さえ申せば、往生を得ること、法然が牢固として信じるところでござる」「その御教(みおし)えは、幾度かうかがって、自分では解っている気がしながら、時折、また同じような疑いに惑(まど)うのでござります、怖(おそ)らくこれは私一人の疑いとは覚えませぬ...
吉川英治 「親鸞」
...(日ごろ、わしらを、牛か馬のように思うて、苛税(かぜい)を取り立てた酬(むく)いじゃ、あの赤い火は、代官所を呪(のろ)うている貧しい百姓たちの思いが燃えるのじゃ、常々、威張りくさってばかりいる代官の顔を笑うて見てやれ)そういう感情が、領民の誰にもあった、口にいう者はなかったが、他国の火事でも見るように、この人々も、そこへ走(は)せつけて行こうとはしない...
吉川英治 「親鸞」
...常々のご恩顧を忘れて...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...則光が常々言うには...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索