...繪甲斐絹の裏をつけた羽織も、袷も、縞ではあるが絹布物(やはらかもの)で、角帶も立派、時計も立派、中にもお定の目を聳たしめたのは、づしりと重い總革の旅行鞄であつた...
石川啄木 「天鵞絨」
...仲哀天皇〕〔后妃と皇子女〕帶中(たらしなか)つ日子(ひこ)の天皇一...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...自分の、片目を繃帶した、眉毛から瞼へかけて傷のついた、睫の長い痩せた顏もその上に寫つた...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...それ等の路はすべて深い深い森林帶の中を通つて行かなければならなかつた...
田山花袋 「日光」
... 180百の總(ふさ)ある艶麗の帶を纒ひて腰につけ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...在府中だけ帶刀御免をされた榮之助は...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...坐つた儘見ると太夫は帶から上だけが勾欄の上に出て居る...
長塚節 「菜の花」
...國會に對し連帶して責任を負ふ...
日本国 「新憲法の解説」
...之もホーロク平(たひら)(一八九二米の一帶を云ふ)の先の鳥屋場(とやば)を持つてゐる者で隣の鳥屋場へ遊びに行く所だといふ...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...谷の左岸一帶の山は根名草(ねなぐさ)クラといつて...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...鹿の子絞り帶も、緋縮緬(ひちりめん)の襦袢(じゆばん)も亂れて、中年男のセピア色の腕にムズと抱へられます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...窓の格子は嚴重で、人間が潜(くゞ)れる筈もなく、女世帶に馴れて、雨戸は日の暮れると一緒に締めるのですから、縁側や入口から、曲者が入れる道理もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「その扱帶が下手人?」八五郎の驚きやうはありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今では弟樣御夫婦の世帶ださうで」此處で平次は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...伊三郎と一緒にこの隣りに世帶を持つてゐるんですつて」「それは聽いた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お孃さんの金襴(きんらん)の帶を盜んで隱して居る女...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...新宿行の電車の通つてゐる四ツ角の安全地帶のところまで來ると...
林芙美子 「秋果」
...それ又、どういふわけですと訊くと、素道氏の診斷學から觀ると、菊五郎氏の肉體は、吃又の上演以來、聲帶、脈搏、血行などが、そツくり吃患者の生態になつてしまつてゐるといふのである...
吉川英治 「折々の記」
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