...後の障子が颯と開いて、腰の邊(あたり)に細い紐を卷いたなり、帶も締めず、垢臭い木綿の細かい縞の袷をダラシなく着、胸は露はに、抱いた子に乳房啣(ふくま)せ乍ら、靜々と立現れた化生(けしやう)の者がある...
石川啄木 「雲は天才である」
...其處へ幸徳が遣つて來て徐々彼の頭が動搖くと共に三四ヶ月の間に到頭日本人青年間にも過激な色彩を帶ぶる一團體が出來上つて仕舞つた...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...十勝(とかち)へまはつて帶廣停車場へ出るのも...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...こちらの携帶者のことに就いて相變らず例の調子でボーイと押し問答をしてゐるのであつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...若帶日子の命と倭建(やまとたける)の命...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...〔成務天皇〕若帶日子(わかたらしひこ)の天皇一...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...赤き細帶しめたる姿の...
大町桂月 「鹿島詣」
...酸味を帶びて甘し...
大町桂月 「妙義山の五日」
...かうして繃帶を當てたり何かしたまゝで歸つて行くのかと考へると情ない...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...それから扱帶(しごき)を襷(たすき)にして結(むす)んだ長(なが)い端(はし)を後(うしろ)へだらりと垂(た)れて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...薄暗くなる頃から長崎町川口町一帶を張りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...着物も帶も斑々(はん/\)たる血潮に染んでゐることに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次の活動が熱を帶びて來るのを見ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...だらりと下がつた扱帶を見せつけられると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一度は梁(はり)に帶などを下げて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この高原地帶は一體に四圍に起伏が多くて...
堀辰雄 「匈奴の森など」
...本帶(ほんたい)を一名(いちめい)『椈帶(ぶなたい)』といふのもぶなが...
本多靜六 「森林と樹木と動物」
...ヘコ帶に、手拭をはさみ、うすよごれた紺がすり一枚のぼくは辨當をたべて、日暮まで、そこの上つてすぐの六疊か八疊に、夕方まで待つてゐた...
吉川英治 「折々の記」
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