...諸家の諸説が紛々として帰趨の定まらぬところに...
太宰治 「津軽」
...聡明なる太子はすでにもはやあの時自己の運命の帰趨(きすう)は充分に悟っていられたのではなかったろうか? 見上げている私の眼にも熱い熱いものがたぎり立ってきた...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...必然的の帰趨を示すものではなおさらない...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...「政府としては速かに適正な処置を取って民心の正しい帰趨を明示すべきこと当然であるが...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...一〇 日本主義の帰趨――ファシズムから皇道主義まで日本主義とは...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...「だが――天下の形勢――つまり、幕府の事情、異国の事情、人心の帰趨、動揺を見る時、わしは、父も、子も、家来も、無論、わしをも、生犠(いけにえ)として、この日本を救わねばならぬような気がする...
直木三十五 「南国太平記」
...それより海岸をわき目もふらず房州御膝下に帰趨(きすう)不可疑候...
中里介山 「大菩薩峠」
...又一方「我等は若きプロレタリアだツ」になるほか差当つて帰趨を知らないからである...
中原中也 「音楽と世態」
...老いたる伝統の帰趨を凝視する苦悶の吐息は...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...天性たる帰趨性にしたがってもとの古巣へ帰ってきたまでのことで...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...帰趨ありや?其様(そん)な事は人間に分るものでない...
二葉亭四迷 「平凡」
...前者と同様の結末に陥り来るべきは自然の帰趨(きすう)なり...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それは彼が前に現下の最も人心の帰趨に多く関係を持つ思想と犯罪との接触点を検点しようとして...
横光利一 「マルクスの審判」
...また当然の帰趨(きすう)のみ...
吉川英治 「三国志」
...早くから大志を抱き――しかも時勢の帰趨(きすう)を見ぬいて――中国にありながらただ一人...
吉川英治 「新書太閤記」
...すでに中国の帰趨(きすう)は決したものということは充分お心のうちにはお分りであろうと存ずる...
吉川英治 「新書太閤記」
...帰趨(きすう)の人を...
吉川英治 「新書太閤記」
...柳(やな)ヶ瀬(せ)役(えき)の帰趨(きすう)が明らかになってから...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??