...するとお前(めえ)その支那人を介抱して送り届けて帰りしなに...
泉鏡花 「海城発電」
...吉兵エさんも帰りしなには...
伊藤左千夫 「姪子」
...帰りしなに、腰の白扇をぬいて汚せといった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...帰りしなに電話をかけてビイルとそれから何か料理を此所へすぐに届けさせてくれよ...
太宰治 「老ハイデルベルヒ」
...帰りしなにふいと...
太宰治 「花吹雪」
...帰りしなに、細君の背後にじっと坐っている小さな女の子へ、「遊びにいらっしゃい...
太宰治 「めくら草紙」
...ただ妙子の帰りしなに...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それが事務所の帰りしな...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...フェルフィーチキンは帰りしなに...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...思い出すことといってはただ、酒を飲むに随って、彼の額が益々蒼白く澄んでゆくような感じだったのと、帰りしなに、母へ眼病の妙薬とかいう薬草を置いていったのと、虫眼鏡で私と暫く遊んでくれたのだけである...
豊島与志雄 「黒点」
...ベッキイは帰りしなに振り返って...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...緋(ひ)の板〆縮緬(いたじめぢりめん)に鶯(うぐいす)色の繻子(しゅす)の昼夜帯(はらあわせ)を、ぬき衣紋(えもん)の背中にお太鼓に結んで、反(そ)った唐人髷(とうじんまげ)に結ってきたが、帰りしなには、差櫛(くし)や珊瑚珠(たま)のついた鼈甲(べっこう)の簪を懐紙につつんで帯の間へ大事そうにしまいこみ、褄(つま)さきを帯止めにはさんで、お尻(しり)をはしょった...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...そうして帰りしなに皆さんで私どもへお立寄りになって行きましたが...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...彼は帰りしなに斯う云ったからである...
松永延造 「職工と微笑」
...そして、帰りしな、仕立物の風呂敷を抱えて立ち上ると、片手を祖母ちゃんの、時には乙女の腺病質らしい鳩胸の前へさしつけ、「おかず買ってかえるから二十銭おくれ」お石は睫一つ動かさずぴったり顔を見据えてそう云うのであった...
「小祝の一家」
...帰りしなでもいいやな」「いいえ...
矢田津世子 「神楽坂」
...帰りしなに、お世辞のように黒瀬はそういったが、ぼくはうれしがる気にもなれなかった...
山川方夫 「お守り」
...そして急に帰りしなになってふと...
吉川英治 「紅梅の客」
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