...津藤が厠(かはや)へ行つた帰りしなに何気なく廊下を通ると...
芥川龍之介 「孤独地獄」
...するとお前(めえ)その支那人を介抱して送り届けて帰りしなに...
泉鏡花 「海城発電」
...するとお前その支那人(チャン)を介抱して送り届けて帰りしなに...
泉鏡花 「海城発電」
...徳利を持って出た帰りしなに...
伊藤左千夫 「春の潮」
...帰りしなにふいと...
太宰治 「花吹雪」
...どうせおれは異様なんだ、とひとりでひがんで、帰りしなに、またちらと少女を見た...
太宰治 「美少女」
...そいから帰りしなに三人で鶴屋食堂い行ったり...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...フェルフィーチキンは帰りしなに...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...思い出すことといってはただ、酒を飲むに随って、彼の額が益々蒼白く澄んでゆくような感じだったのと、帰りしなに、母へ眼病の妙薬とかいう薬草を置いていったのと、虫眼鏡で私と暫く遊んでくれたのだけである...
豊島与志雄 「黒点」
...ベッキイは帰りしなに振り返って...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...帰りしなに乗合自動車はもうないだらうかときゝました...
林芙美子 「蛙」
...そうして帰りしなに皆さんで私どもへお立寄りになって行きましたが...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...されば人々は旅順に留まりて容易に帰るべくもあらぬをわれらは故ありてここに居ることを好まねば無理に諸人を催して終に柳樹屯に帰りしなり...
正岡子規 「従軍紀事」
...彼は帰りしなに斯う云ったからである...
松永延造 「職工と微笑」
...そして、帰りしな、仕立物の風呂敷を抱えて立ち上ると、片手を祖母ちゃんの、時には乙女の腺病質らしい鳩胸の前へさしつけ、「おかず買ってかえるから二十銭おくれ」お石は睫一つ動かさずぴったり顔を見据えてそう云うのであった...
「小祝の一家」
...舞台の宴会場から帰りしなに...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...帰りしなに、正成から、或ることづてをうけていた正季は、城内へはいるとすぐ、妹の卯木(うつぎ)の良人、服部治郎左衛門元成を、武者溜りからよびだして、「なにかは知らぬが、兄上がお待ちしておいでになる...
吉川英治 「私本太平記」
...ところで俺が帰りしなに...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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