...この怪事の研究につきて帰するところの問題は...
井上円了 「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」
...人道の帰するところはすべてこれ天命の帰するところ...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...さればこそ誹諧は栗(くり)の本(もと)を迷い出て談林の林をさまよい帰するところを知らなかった...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...そしていつも帰するところは婦人――つまらない婦人――の問題であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その帰するところは同じようなことであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...おのずから強弱の帰するところあるべきはずなるに...
福沢諭吉 「学問の独立」
...まったく帰するところに迷っているというのが...
吉川英治 「黒田如水」
...帰するところまったく自己の不明にあることを深く詫び...
吉川英治 「三国志」
...ために、玄徳があれほどな人望家でありながら、容易にその大を成さず、悪戦苦闘のみつづけていたのも、帰するところ、部分的な民心はつなぎ得ても、天下は依然、漢朝の復興を心から歓迎していなかったに依るものであろう...
吉川英治 「三国志」
...たとえ、その者一個人には武士道らしくあっても、帰するところ、主君のためには無益な死であり、犬死である...
吉川英治 「新書太閤記」
...大勢の帰するところを諭(さと)したなら...
吉川英治 「新書太閤記」
...みな帰するところへ帰してゆくのは」信玄に聘(へい)されて...
吉川英治 「新書太閤記」
...で、事変後の数日、その余波のもっとも高そうな人と地理と情勢とを、いまその禍乱(からん)を離れて、天下の全面を高所から大観してみると、帰するところ、どこもかしこも、愕(おどろ)きの余りに、――如何にこの大変動に処すべきか...
吉川英治 「新書太閤記」
...なぜならば、今、数万の役夫を徴用(ちょうよう)して、あの江越(ごうえつ)国境の山また山を除雪しながら進む難儀は、それをもっと早い一月に決行しても、去年の冬に断行しても、帰するところ、難渋(なんじゅう)な点は同じであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...道くさすなよ)と、あれほど、出撃のさいに秀吉が勝入へいっておいたにもかかわらず、勝入が、岩崎城の城兵から挑(いど)まれて、一(ひと)もみになどと踏みつぶしにかかったことも、帰するところ、勝入の人物が、それだけの器(うつわ)だったというほかはない...
吉川英治 「新書太閤記」
...いや、帰するところ、この一行動もまた、徳川牽制(けんせい)の“先手取(せんてと)り”の一石(いっせき)を打ったものといってよい...
吉川英治 「新書太閤記」
...帰するところは、宋江の罪業になるばかりです...
吉川英治 「新・水滸伝」
...また人間それぞれの生涯にも帰するところの“答え”を出しておいてくれたことにある...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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