...埃及(エジプト)模様の塩瀬(しおぜ)の丸帯に翡翠(ひすい)の帯留めをしているのですが...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...銀子は秋に披露目(ひろめ)をしたのだったが、姐さんたちに引き廻されているうちに、少しずつ座敷の様子がわかり、客の取做(とりな)しもこなれて来て、座敷は忙しい方だったが、ある晩医専の連中に呼ばれて、もう冬の寒い時だったので、狐拳(きつねけん)で負けるたびに、帯留め、帯揚げ、帯と一枚々々剥(は)がされ、次ぎには罰杯のコップ酒を強(し)いられ、正体もなくへとへとに酔って帰ったことがあったが、家の閾(しきい)を跨(また)ぐ途端一度に酔いが発して、上がり口の廊下に崩れてしまった...
徳田秋声 「縮図」
...「あんな帯留め……どめ……を……」此方(こなた)の三人は吃驚(びっくり)して顔を見合わせ「オヤ鍋の寐言(ねごと)だヨ」と果ては大笑いになる...
二葉亭四迷 「浮雲」
...紐は帯留めのお下りであった...
宮本百合子 「毛の指環」
...高価な鋼鉄のボタンや帯留めや...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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