...実は古色を帯びた茶ぶ台に過ぎない...
芥川龍之介 「葱」
...顫いを帯びた声が僕の耳に入るとともに...
田中貢太郎 「提灯」
...(明治四十一年五月十八日『東京朝日新聞』)八十水の消毒空気中に電気の火花を通ずる時一種の臭気を帯びたるいわゆるオゾン瓦斯(ガス)が出来る...
寺田寅彦 「話の種」
...眼が異様な輝きを帯びた...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...古色を帯びた銀襖(ぎんぶすま)があって...
中里介山 「大菩薩峠」
...やや赤味を帯びた雲が一流れ...
中里介山 「大菩薩峠」
...青みを帯びた系統で...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...石のうち鎔(と)けぬ性質を帯びたのは...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...「ぐづぐづしてはゐられないぞ」清二は怒気を帯びた声で話しだした...
原民喜 「壊滅の序曲」
...熱を帯びた体の汗を拭ってくれさえすれば...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...そしてその他の部分は殆どすべて鈍い青味を帯びた闇の中に溶け入っていた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...一羽の青味を帯びた大きな鳥が翼を水平に拡げたまんま...
堀辰雄 「雉子日記」
...デモーニッシュなものとは無限性を帯びた感性的なものである...
三木清 「哲学入門」
...だから栄光を帯びた死がひとたび彼の前に立ち現われると...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...清絹(すずし)のように青みを帯びた白いなめらかな肌...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...青みを帯びた銀色にかがやいていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...猶その柔かい赤紫を帯びた余光が河に反映し...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...一地方の相たる印綬(いんじゅ)を帯びたのだった...
吉川英治 「三国志」
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