...急に真面目(まじめ)な調子を帯びた...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...道ばたには針金の柵(さく)の中にかすかに虹(にじ)の色を帯びた硝子の鉢が一つ捨ててあった...
芥川竜之介 「歯車」
...暮れ方のうるみを帯びた物しづかな低い波の音につれる子守歌がたまらなく悲しい...
伊藤野枝 「日記より」
...しかし真直ぐに立った小さな赤味を帯びた耳と...
魯迅 井上紅梅訳 「兎と猫」
...大真面目に「ファシストに同情的な」とか「ファシスト的傾向を帯びた」とか...
ジョージ・オーウェル George Orwell The Creative CAT 訳 「ファシズムとは何か」
...右側の家の中は稍影を帯びたやうに薄暗くなつて見えた...
田山録弥 「百日紅」
...稚気乃至多少の衒気(げんき)を帯びた浅瀬の波の深い意味もない空躁(からさわ)ぎの一年であったとするも...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...つい其処の歌舞伎座の書割(かきわり)にある様な紅味(あかみ)を帯びた十一日の月が電線(でんせん)にぶら下って居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...赤味を帯びた頭髪の中に...
豊島与志雄 「楠の話」
...古調を帯びたところに...
中里介山 「大菩薩峠」
...百年或いは二百年以上の時代を帯びた...
中里介山 「大菩薩峠」
...いずれも両刀を帯びた壮士である...
中里介山 「大菩薩峠」
...唐橋在数は大内記という官を帯びた朝臣で...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...湿気を帯びた風が...
久生十蘭 「地底獣国」
...早速の頓智(とんち)で馬に群衆中より帽に十字を帯びた一人を選んで低頭跪拝(きはい)せしめ...
南方熊楠 「十二支考」
...低いふるえを帯びた溜息は幾度も幾度も仙二の唇を流れ出して草の根元に消えて行った...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...青みを帯びたお納戸(なんど)の著丈(きだけ)すらりと...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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