...布目を覗く若い娘(こ)をたしなめて...
泉鏡花 「薄紅梅」
...第二例に於(おい)ては此部に布目(ぬのめ)の痕を付けたり是等の遮光器は左右兩端(さいうりやうはし)に在る紐を以て頭に結(むす)び付けられたるものの如し...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...また頭から顎へかけて捲き附けていた褶んだ半帛の布目に気が附いてはいたけれども――こんな物を捲き附けているのを彼は以前見たことがなかった...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...処々にカンヴァスの布目が覗き出していた...
豊島与志雄 「二つの途」
...拭いた跡が布目に殘つて居ますぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...虱と南京虫が布目も見えぬほどに這いまわっていた...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...泥のなかをひきずりまわしたような布目もわからないコールテンのズボンをはき...
久生十蘭 「キャラコさん」
...釦の丸さなりにはっきりと布目がうつっているのである...
久生十蘭 「金狼」
...羽根のさきが布目を出してボロボロになったのがいる...
室生犀星 「螽※[#「虫+斯」、第3水準1-91-65]の記」
...布目(ぬのめ)の毫(ごう)も歪(ゆが)まぬように陸に張らせた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...粗い布目が不規則に浮き出しているのだから...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...むしろ気味わるい蚊帳(かや)の布目がうッすらと青くよれている...
吉川英治 「江戸三国志」
...布目象嵌(ぬのめぞうがん)の部分に金で“橘(たちばな)”の紋が入れてある...
吉川英治 「私本太平記」
...切り削(そ)いだような岩石の峨々(がが)たる下は木津川や布目川(ぬのめがわ)の急流だ...
吉川英治 「私本太平記」
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