...それでも腰にだけは破れた布切(ぬのぎれ)を巻いているものを見出すことができた...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...彼等はボロボロになった布切を身に纏(まと)い...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...これらの布切れほどに自分たちがしのいだ嵐のてんまつをまざまざとえがくことを誰がなしえよう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...有り合せの木綿の布切を...
太宰治 「津軽」
...そうしてその火炎がだんだんに白紙や布切れに変わって行ったりする...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...鼻根から黒い布切れをだらりとたらして鼻から口のまわりをすっかり隠している...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...腰に敷いていた大きな布切れのちりを払おうとした拍子に取り落とした...
寺田寅彦 「写生紀行」
...其れと座蒲團代りの古い布切れとを風呂敷で包み隱したのを抱へて市内電車で巣鴨迄行つた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...此の布切れがやつぱり今でも引つかゝつて居るかも知れない...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...そんな布切さえも...
外村繁 「澪標」
...私は側にあつた布切れを彼に与へておき...
原民喜 「夏の花」
...ブラウスの裂け落ちた布切れを集め始めたが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...檣材に縋りついて狂気のように布切れを振っている姿であった...
久生十蘭 「海難記」
...布切れもくっついていましたから...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...六尺の布切(ぬのぎ)れを...
柳田国男 「母の手毬歌」
...白い布切れがふわりと信二の靴に落ちた...
山川方夫 「その一年」
...おすえは乾いた布切で中をよくぬぐった...
山本周五郎 「さぶ」
...そこを布切で縛ってある...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
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