...それでも腰にだけは破れた布切(ぬのぎれ)を巻いているものを見出すことができた...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...彼等はボロボロになった布切を身に纏(まと)い...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...うすあかい外国製の布切(ぬのきれ)のショオルが...
太宰治 「姥捨」
...有り合せの木綿の布切を...
太宰治 「津軽」
...聴覚のほうが主になれば役者は材木と布切れで作った傀儡(かいらい)でもよい...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...海水浴場のテントなどにあるようなびらびらした波形の布切れをたれただけで...
寺田寅彦 「軽井沢」
...鼻根から黒い布切れをだらりとたらして鼻から口のまわりをすっかり隠している...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...此の布切れがやつぱり今でも引つかゝつて居るかも知れない...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...鳥は鮮魚を食い尽くしたが布切れの下の腐肉には気づかなかったとある...
寺田寅彦 「とんびと油揚」
...ただその上をありあわせの布切れで巻いているばかり...
永井隆 「長崎の鐘」
...波止場に出でて今日の日の魂に合ふ布切屑(きれくづ)をでも探して来よう...
中原中也 「山羊の歌」
...陸地の一団はさかんに布切れを振っていたが...
久生十蘭 「海難記」
...これは何ですか」ベリントン大佐が汚れたリネン布切れを差し出し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...白い布切れがふわりと信二の靴に落ちた...
山川方夫 「その一年」
...そこを布切で縛ってある...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...襤褸(ぼろ)というより布切(ぬのきれ)を集めて体へ縛りつけたような...
山本周五郎 「花も刀も」
...布切れなどの中から...
横光利一 「上海」
...その旗の布切れが流れる群衆の足にひっかかったまま...
横光利一 「上海」
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