...それでも腰にだけは破れた布切(ぬのぎれ)を巻いているものを見出すことができた...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...破れた布切を解いてきて...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...彼等はボロボロになった布切を身に纏(まと)い...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...鼻根から黒い布切れをだらりとたらして鼻から口のまわりをすっかり隠している...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...絵の下のほうにこの布切れがぶら下がっているような気がしてしかたがない...
寺田寅彦 「写生紀行」
...布切れに貫ぬいたのを首にかけたのがいた...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...波止場に出でて今日の日の魂に合ふ布切屑(きれくづ)をでも探して来よう...
中原中也 「山羊の歌」
...私は側(そば)にあった布切れを彼に与えておき...
原民喜 「夏の花」
...檣材に縋りついて狂気のように布切れを振っている姿であった...
久生十蘭 「海難記」
...陸地の一団はさかんに布切れを振っていたが...
久生十蘭 「海難記」
...一枚の布切れが十五年も風雪に曝され...
久生十蘭 「南極記」
...これより先、伝令一は裸体になり、急ぎ軍服を引き裂き、その布切れで、肩、肘、手首、股のつけ根、膝、足首など、両の手足の関節を伝令二に緊縛してもらって、抜刀を口にくわえ、素早く砦を下りかける...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...白い布切れがふわりと信二の靴に落ちた...
山川方夫 「その一年」
...おすえは乾いた布切で中をよくぬぐった...
山本周五郎 「さぶ」
...湯気の立つ布切をつまみあげ...
山本周五郎 「ひとでなし」
...川辺が鴨猟のお止め場になったからです」「お止め場とはどういうことだ」老婆は布切で眼脂を拭きながら語った...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...首の周囲(まわり)の白い布切(きれ)は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...以外には塩と布切れだ...
横光利一 「夜の靴」
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