...大阪きっての歓楽の巷である新世界と大阪一の天王寺公園とを冬の陣のようにとりかこんでいるが...
海野十三 「蠅男」
...右迂巷と申す人は先般来突然知己に相成候人なるが...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...きみの花顔、世界の巷ちまた、露路の奥々、あつき涙とともに、撒き散らさむ...
太宰治 「HUMAN LOST」
...何と貧しい淫楽の巷であろう! 植民地兵営の喫煙室みたいな前庭...
谷譲次 「踊る地平線」
...病院の廊下で仆れたり巷(ちまた)の雑踏を耳にしながら...
徳田秋声 「仮装人物」
...富川町(とみかわちょう)や東元町(ひがしもとまち)の陋巷(ろうこう)を横ぎって...
永井荷風 「深川の散歩」
...巷(ちまた)の人々の噂は信ずることが出来ません...
中里介山 「大菩薩峠」
...町の巷(ちまた)に出て小路(こうじ)の中に姿を没したと見えたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...群鴉の喧號する巷の中で...
萩原朔太郎 「宿命」
...巷(ちまた)に秋の夕日散り鋪道に車馬は行き交へどもわが人生は有りや無しや...
萩原朔太郎 「氷島」
...あたりは陰気な雨の巷であつたが...
原民喜 「災厄の日」
...兇器を隠し持って夜の巷(ちまた)をさまようだろうか...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...これよりあでやかな婦女を巷(ちまた)に見たこともないのでした...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...――即ち原色の反抗色が巷に氾濫する所以だといふのなら...
三好達治 「銀座街頭」
...州は兵乱の巷になり...
吉川英治 「三国志」
...兵馬の巷(ちまた)にならずにいません...
吉川英治 「私本太平記」
...巷(ちまた)に身をひそめ...
吉川英治 「私本太平記」
...巷(ちまた)の人気などにぽっぽっとしてはいかぬぞ」「そんな...
吉川英治 「べんがら炬燵」
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