...毎晩の樣に華やかな絃歌の巷に足を運んだ...
石川啄木 「菊池君」
...陋巷にありて道を楽しむをもって...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...日が短いので黄昏(たそがれ)の色がもはや巷(ちまた)にしのび寄って来た...
梅崎春生 「風宴」
...この陋巷(ろうこう)のあちこちから腹の減った連中が駆けよって来た...
海野十三 「共軛回転弾」
...もう既にまったく師走(しわす)の巷(ちまた)の気分であった...
太宰治 「メリイクリスマス」
...或いは、仮に夫が同じテーゼに終っても、巷間の常識と、哲学的に綿密な理論による結論とを、まるで同一視するのはひどく乱暴ではないかと云われるだろう...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...そして巷にうごめく百万の失業者――国粋会から左右社会民主主義者に至るまでの...
戸田豊子 「鋳物工場」
...この浮間ヶ原も今は工場の多い板橋区内の陋巷(ろうこう)となり...
永井荷風 「葛飾土産」
...あたりは忽ち阿鼻狂喚の巷! 小部屋から躍り出したソオルとエリクソンは...
南部修太郎 「死の接吻」
...あらゆる歓楽を追って巷(ちまた)をさまよった結果...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...遅くまでSと三人で巷を呑み歩いたものであった...
原民喜 「翳」
...蟻蟻の穴がつづいてゐるうす暗い地下鉄道のやうに地のそこ深く闇が張りつめられてゐる緑色の巷や町や辻辻のあかるい明りを点したところにもくらい穴がつづいてゐる...
室生犀星 「忘春詩集」
...韓凹巷(かんあふこう)の「芳野游藁」がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...暗い夜半の巷(ちまた)へ消えてゆく...
山本周五郎 「嘘アつかねえ」
...そんな巷説を真にうけておられるのか」「もとより確証なきことはいわん」「ではその証拠をお見せなさい」「曹操の第二子に...
吉川英治 「三国志」
...兵馬の巷(ちまた)にならずにいません...
吉川英治 「私本太平記」
...巷話(ちまたばなし)...
吉川英治 「私本太平記」
...さらに巷(ちまた)へ拡大した...
吉川英治 「親鸞」
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