...この陋巷のどこかに住んでいる筈だった...
海野十三 「共軛回転弾」
...旗を右手に歯ぎしりしつつ巷(ちまた)をよろばいあるくわが身の執拗(しつよう)なる業(ごう)をも感じて居るのだ...
太宰治 「もの思う葦」
...馬の如く巷(ちまた)を走り狂い...
太宰治 「もの思う葦」
...嘉興が戦乱の巷になりかけているということを聞いたので...
田中貢太郎 「愛卿伝」
...つひ三日程前夕暮れの巷に...
徳田秋聲 「和解」
...聞きかじった巷説(こうせつ)やまたは多少了解してる事柄を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...親類縁者の人に顔を見られぬ陋巷に引移るにしかず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...これ旧記にいふところの小石川の流にして今はわづかに窮巷の間を通ずる溝(こうこう)となれり...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...鈍(にぶ)い巷(ちまた)の雜音(ざふおん)と入(い)れ交(まじ)つてチヤラチヤラチヤラチヤラと聞(き)き馴(な)れない物音(ものおと)が聞(きこ)えて來(き)た...
南部修太郎 「麻雀を語る」
...巷(ちまた)に雨の降るごとく...
林芙美子 「新版 放浪記」
...これは巷のゴシップだが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...巷説(こうせつ)には水戸侯と血縁があるなどといったそうであるが...
森鴎外 「渋江抽斎」
...二元の巷(ちまた)に彷徨(さまよ)う限りは...
柳宗悦 「民藝四十年」
...巷(ちまた)の流言を...
吉川英治 「新書太閤記」
...「只事(ただごと)には非ず」とする巷説(こうせつ)を裏書して...
吉川英治 「新書太閤記」
...宮中から公卿、武将、庶民の巷にまで、ひと頃は、琵琶法師の見られぬところはなかった...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...巷間に絶無とはいわないが...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...人のはなしだけに知っている藤原氏全盛の宮廷や巷を予想して...
吉川英治 「平の将門」
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