...巷(ちまた)の盛(さか)り場(ば)は申(まを)すまでもない事(こと)...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...昼といわず夜といわず巷(ちまた)を走り廻った...
海野十三 「大脳手術」
...大胆にも基督(キリスト)は巷(ちまた)に獅子吼(ししく)して...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...陋巷(ろうこう)に史書をあさり...
太宰治 「虚構の春」
...ことごとく戦禍の巷に捲き込まれ...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...杭州城内過軍橋(かぐんきょう)の黒珠巷(こくじゅこう)と云う所に許宣(きょせん)という壮(わか)い男があったが...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...『暗い巷(ちまた)』へ放してやる...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...巷説伝うる所に依れば...
豊島与志雄 「都会に於ける中流婦人の生活」
...これから華かな巷へ出かけようとしてる人々などで...
豊島与志雄 「人の国」
...唯ひとり巴里の巷(ちまた)の逍遥にうつらうつらと日を過すのみなりき...
永井荷風 「書かでもの記」
...三大正九年も終る暮の巷(ちまた)を...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...広津和郎の「巷の歴史」を読み出す...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...薄曇のした空を窓から見あげて徒然の絃器の音などを聞いてゐると遊楽の巷で遊び疲れたかのやうな陶酔を覚えた...
牧野信一 「日本橋」
...ところで柳暗花明を材とした川柳に積年非凡の才能を示してゐる坊野寿山子の吟詠には私たちが城北花巷で見聞した人情...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...そこを間違えては困るが、こちらがそういう存念なのだから、貴様の方でもこれからは、わしにだけは、害意を捨てて貰いたいな」「と、仰言っても、御隠居さん――」と、闇太郎は、先き程までの、夜の巷での、悪戦苦闘の、忌(いま)わしい追憶は、とうに忘れてしまったように、美酒の酔いに、陶然(とうぜん)と頬を、ほてらせながら、「何しろ、性分が性分で、さっきから、申し上げるように、一度盗みたいとなると、どうも遠慮が出来ねえ生れつき、こちらのようなお屋敷に、足踏みをしていると、たまにゃあ、素手では、帰えられねえような気持になることもあるでしょう...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...韓凹巷(かんあふこう)の西帰を品川に送つたが...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...世間一般の常識として」「巷間(こうかん)の板行物や世評を聞いているのではない...
山本周五郎 「山彦乙女」
...皎々(こうこう)と冴(さ)えた名月の巷(ちまた)に...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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