...例(たと)へば巴里(ぱり)のノートルダムの寺塔(じたふ)の有名(いうめい)な怪物(くわいぶつ)は繼合物(つぎあはせもの)ではなくて立派(りつぱ)に纏(まと)まつた創作(さうさく)になつて居(ゐ)る...
伊東忠太 「妖怪研究」
...それなのに私は巴里にゐるとき...
高田保 「貸家を探す話」
...巴里には何年ぐらいおいでになりました」「まる二年おりましたけれども...
谷崎潤一郎 「細雪」
...今晩になると考えさせられる――最初に欧羅巴(ヨーロッパ)からアメリカに渡った人々の経験に聞いて見ようではないか」そこで...
中里介山 「大菩薩峠」
...運甓居雑詠百年旧府嘆二榛荊一四面山河自作レ城 十日雲容多北走 二州水勢尽西行 遠書毎托二海商至一閑話只憑二山衲迎一羇官雖レ孤幸無レ恙 回レ頭已没幾同庚公篁渡此地名区慰二老孱一風光秀偉満二衰顔一東西来合巴回水 南北相臨鼎峙山 亜竹檀欒遶二旧郭一遺民絡繹渡二荒関一晩晴試望二公篁渡一人在二灘声嵐気間一ともに山国盆地の郡衙三次の地勢風光気象を実に即いて髣髴と描出してゐる...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...即(すなわ)ち欧羅巴全州では既に日没の後で...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...息をつめて……」なるほど! たいしたもんですわね!こういうのが欧羅巴(ヨーロッパ)ふうなんだと...
久生十蘭 「キャラコさん」
...巴里には、お元日なんかないんだって、言ってきかせたって、そうかと、すぐ話のわかるひとじゃなし、大急ぎでマドレーヌのエデアールという店へ駈けつけると、錨の印のついた、錨正宗という、ふしぎな銘酒なんですが、みな売れちゃって、情けないことに、一合瓶がたった一本だけ……しょうがないから、それを仕入れてきて、柄付鍋(キャスロール)で火燗をして、油漬鰯(サルディン)で一献献じたのはいいんだけど、なにしろ七勺たらず、二人で、ひと舐めふた舐めしたと思ったら、それでおしまい……膝に手を置いて、神妙にあとを待っているから、お屠蘇はもうチョンなのよというと、おやおや、へんだねえ...
久生十蘭 「野萩」
...これは巴家寅子、丸一小仙の役人、海老蔵の墨染、小亀の角兵衛獅子という贅沢な顔づけがわけもなくありがたかった...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...巴里(パリイ)の夢をもたらした荻野(をぎの)綾子(あやこ)の宵の唄(うた)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...斯(か)う云ふ緩急二面の生活を同時に味はつて居るのが巴里人(パリイじん)なのであらう...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...と云つて幾つかの大公園に遊んで居る子供は巴里(パリイ)市内の子供の総数から云へば千分の一にも当るまい...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...僕より一月(ひとつき)早く来て巴里(パリイ)の珈琲店(キヤツフエエ)通(つう)に成つて仕舞(しま)つた九里(くり)四郎が初め伴(つ)れて行つて呉(く)れたのだ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...其(その)下の僕が巴里(パリイ)へ着いた初めに居た一室に槇田(まきた)中尉が居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...新聞の届きしとて人の見せ給ふを見れば何(いづ)れも既に巴里(パリイ)の宿にて読みしものに候(さふら)へば...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...京都の紹巴(じょうは)に招き状を送り...
吉川英治 「新書太閤記」
...聞けば日向守としては不審な連歌(れんが)も詠まれたとかいうではないか」「それは無理ですよ」紹巴もむきになって打ち消した...
吉川英治 「新書太閤記」
...この紹巴(じょうは)のあたまには考えようとしても考えられぬ...
吉川英治 「新書太閤記」
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