...巴旦杏型(はたんきょうがた)のぱっちりした眼はどこか私が子供の時に死んだ母の眼に似ていて...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...But then, この M.Fleury は巴里(パリー)リッツ・ホテルの支配人レイ氏...
谷譲次 「踊る地平線」
...最初の期待が大き過ぎたせいだろうと思うんです」「巴里に行って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...先生は更にわが方(かた)には見向きもしたまはず破笠子を相手に今朝(こんちょう)巴里(パリー)の川上(かわかみ)(壮士役者音二郎が事なり)より新聞を郵送し来(きた)れりとて巴里劇界の消息を語出(かたりいだ)されぬ...
永井荷風 「書かでもの記」
...放射線に対して抵抗の強い臓器と、鋭敏に変化する臓器とがある、最も弱い、すなわち、いちじるしく障害されるのは骨髄、淋巴腺、生殖腺である...
永井隆 「長崎の鐘」
...亜細亜(アジア)洲と欧羅巴(ヨーロッパ)の間を旅から旅へとうつり歩く一種族でございまして...
中里介山 「大菩薩峠」
...丁度この夏ラビ教授が欧羅巴(ヨーロッパ)へ旅行していた間...
中谷宇吉郎 「湯川秀樹さんのこと」
...巴里(パリ)から帰りました時...
林芙美子 「着物雑考」
...今から二年ほど前に一度「巴里(パリー)」へ敬意を表しに出かけて行ったことがあったが...
久生十蘭 「魔都」
...外国語に翻訳されたら例へば巴里のハイカイといふ如き形を取つて世界的の短詩となるであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...一時二十分から菊田一夫作「笑ふ巴里」(旧作で玉木座で演ったことのあるもの)を放送...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...その翌日巴里から出したのと...
堀辰雄 「日時計の天使」
...私は只今巴里の晩春を見たいものだと願つて居ります...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「リルケ書翰(ロダン宛)」
...二、三の新聞は、最も首肯され得る適当な説明を募って懸賞金を掲げたりして、巴里は勿論、全仏蘭西からもう大陸のセンセイションになっていた...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...中央歐羅巴に勢力をふるつたことはありましたが...
宮原晃一郎 「スカンヂナヴィア文學概觀」
...倫敦(ロンドン)人や巴里(パリイ)人の車馬と群衆とが少しの喧囂(けんごう)も少しの衝突もせずに軽快な行進を続けて行くのを見て驚かずにいられなかった...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...巴里(パリイ)の母親は余(あまり)に自分の遊楽に耽(ふけ)つて子供の自由を顧みないと記者は言つて居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...巴里(パリイ)で為替を組んでも小包を出しても...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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