...〔評〕榎本武揚(えのもとぶやう)等五稜郭(りようかく)の兵已に敗る...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...已に大人の媚(こび)と潤(うるお)いをたたえていた...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...早や已に十年前の一夢となりぬ...
大町桂月 「杉田の一夜」
...模型化すれば其物は已に模型であつて...
丘浅次郎 「固形の論理」
...戦争以前から已に日本人には容易に工場の奥を見せぬ様であつたが...
丘浅次郎 「理科教育の根底」
...已に末代の重宝と謂ひつ可し...
太宰治 「右大臣実朝」
...正夫は已に麦藁帽子を傍の石の上に置いて...
田山録弥 「磯清水」
...儂の居村(きょそん)から調布(ちょうふ)まで已に土工を終えて鉄線を敷きはじめた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...吾公の駕已に萩府を発す...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...尤も吾々は已に円運動に於て到底相対空間の運動に帰することの出来ない或る運動...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...この種類の困難は多くの人々が已に之を指摘している...
戸坂潤 「性格としての空間」
...而もこの対立を認めない処の従ってそれだけ直接であり現象的である処の他の――存在論的な――立場(それをしも立場と呼ぶならば)が已に掲げられているからである...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...晉の干寶などからして已に注意せられ...
内藤湖南 「易疑」
...其の體式已に古ならず...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...已にデカダンスの芸術と云ふ...
永井荷風 「谷崎潤一郎氏の作品」
...この事は已に『冷笑』と題する小説中紅雨(こうう)という人物を借りて自分はつぶさにこれを記述した事がある...
永井荷風 「霊廟」
...已に痕な」き甘美なる悲哀は...
中谷宇吉郎 「詩人への註文」
...蕪村崇拝の声は早くも已に明治二十八...
正岡子規 「墨汁一滴」
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