...塩原から日光へひと跳びというのが已(すで)に人間業(わざ)ではない...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...窘窮の餘已むなく亦暴力を以て之に對抗するに至るの形迹があるのです...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...まだ已(や)まない...
海野十三 「英本土上陸戦の前夜」
...遂(つい)に已(や)むなく副司令が柳ちどりに代って出たわけだった...
海野十三 「間諜座事件」
...此必笑テ頷ンレ之而已...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...これは運数が已に定まっているから...
田中貢太郎 「富貴発跡司志」
...彼女は其時已に六月(むつき)の身重(みおも)であった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...吾公の駕已に萩府を発す...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...お光は学校已(や)めて後も矢張(やっぱり)手習読書をせっせと勉強する...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...例えばデカルトの Cogito とか純粋経験とかいう出発点は出発の仕方を――方法を――已に指定している哲学的に築かれた立場であるであろう...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...月光の下(もと)に劇場已(すで)に閉ぢ行人(こうじん)漸(ようや)く稀(まれ)ならんとして...
永井荷風 「江戸芸術論」
...風流三昧(ふうりうざんまい)の蘿月(らげつ)は已(や)むを得ず俳諧(はいかい)で世を渡るやうになり...
永井荷風 「すみだ川」
...吾等が心情は已に古物(こぶつ)となつた封建時代の音楽に取り縋(す)がらうには余りに遠く掛け離れてしまつたし...
永井荷風 「黄昏の地中海」
...余は已(すで)に小春の可憐(かれん)...
永井荷風 「夜あるき」
...已むを得ずケムブリッジに行き研究したのであります...
長岡半太郎 「湯川博士の受賞を祝す」
...門外橘花猶的、牆頭茘子已※斑、といふのは蘇東坡(彼は南方へ流された)だが、丁度そつくり其の儘の情景である...
中島敦 「環礁」
...已(やむ)を得(え)ず省略の捷徑(せふけい)を棄てゝ...
夏目漱石 「子規の畫」
...我々の間には已(すで)に悲しむべき厚い障壁が出来てしまっているのであった...
魯迅 佐藤春夫訳 「故郷」
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