...明智は已に動かし難い確信を持っている様に見えた...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...あの様に胸騒がせた彼女とは(その時も已(すで)に十分悪女であったに相違ないのだが)我ながら別人の観があった...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...「已に御承知の事でしょうが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...水田已に黄ばむで居る...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...処で今もしこの真理が認識の普遍妥当性を意味するならば――それは認識の非普遍妥当性即ち虚偽と対立している――已にカントに於て明らかにしたことによって...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...この種の研究は已に空間そのものを予想しているから従ってその限りに於て...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...延て或は皇室の威厳を傷け奉るの虞なきを得ず是れ華族改革の到底已む可からざる所以なりと苟も貴族院に於ける華族の行動を目撃するものは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...然し明治は已に半世紀に近い時間を過した...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...已むを得ずケムブリッジに行き研究したのであります...
長岡半太郎 「湯川博士の受賞を祝す」
...その結果さすがに頑強を極めて居た東電(佐竹という人が社長で政友会の弗箱(ドルばこ)であったとの説もある)も時勢に抗し難くとうとう大値下を為すの已(や)むを得ざるに至った...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...已(やむ)を得(え)ず年(とし)を越(こ)さなければならない人(ひと)の如(ごと)くに感(かん)じた...
夏目漱石 「門」
...不得已(やむをえず)賀状を以て拝趨(はいすう)の礼に易(か)え候段(そろだん)不悪(あしからず)御宥恕(ごゆうじょ)被下度候(くだされたくそろ)...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...トント判らぬ事而已(のみ)...
二葉亭四迷 「浮雲」
...首を見ぬ前に松王は已(すで)に我子の身替りに立ちしことはほぼ承知せる事ゆゑ...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...しかし諸友はわたくしのために霞亭の遺事を捜索して未だ已まない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...不得已(やむをえず)拙筆にて補板仕候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
......
森鴎外 「遺言三種」
......
吉川英治 「私本太平記」
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