...十指の指差すところ...
太宰治 「トカトントン」
...空のお月様を指差す子供と相通うところあり...
太宰治 「花吹雪」
...指の差す方角へ眼で従いながら...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...それで私は武士は長短二本の刀を差すが他の者は武士でなく身分が低いので一本の脇差だけと説明した...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...刀を差すようなふうに腰のところへあてがい...
中里介山 「大菩薩峠」
...例の不動尊の画像は刀でも差すように...
中里介山 「大菩薩峠」
...差しているな! と言ったのは、一本か二本差しているという意味ですが、一本差すことは、旅の百姓町人といえども、道中を限り許されていることであり、それにも長さに限度がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...左右の山脚急に下りて相交差す...
長塚節 「草津行」
...東から差す日を受けて...
夏目漱石 「坑夫」
...彼はまた子供の差す位な短かい脇差(わきざし)の所有者であった...
夏目漱石 「道草」
...「これは何んだ」「櫛ですよ」「櫛はわかつて居る――まさか熊手と間違やしめえ」「その櫛に曰(いは)くがありさうなんで」「何處の新造に貰つて來たんだ」「今頃こんな古風な櫛を差す新造(しんぞ)はありませんよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...先づ一つを差すのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さきほどまで静まっていた空気のなかにどす黒い翳(かげ)りが差すと...
原民喜 「死のなかの風景」
...その花を二つに分けて左右の花たてに差すと...
原民喜 「夏の花」
...遠く西北方の空を指差すとゑん/\たる丹沢山の面影が白々しい空の裾に脈々と脊をうねらせてゐる有様が望まれる...
牧野信一 「三田に来て」
...大正年間の祝慶日には宴会などで幹事が胸へ差すやうな造花の菊花を...
正岡容 「大正東京錦絵」
...朝日の光が荒い縞(しま)のように泉の畔(ほとり)に差す...
森鴎外 「杯」
...」長羅は彼の指差す方を振り向いた...
横光利一 「日輪」
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