...庸三は今まで誰か葉子の傍(そば)にいたものがあったような影も心に差すのであったが...
徳田秋声 「仮装人物」
...隣の廂間(ひさしあい)から差す空の薄明りに戦(そよ)いでいた...
徳田秋声 「黴」
...さすがに夕陽のあかく差すころには...
永井隆 「長崎の鐘」
...左右の山脚急に下りて相交差す...
長塚節 「草津行」
...五割や六割の増収を目差すことは...
中谷宇吉郎 「稲の一日」
...東から差す日を受けて...
夏目漱石 「坑夫」
...不断なら月の差すべき夜(よ)と見えて...
夏目漱石 「三山居士」
...月の差す二階の客は...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...雨の降る日には傘を差す臆劫(おっくう)を省く事が出来た...
夏目漱石 「道草」
...けばけばしい日光の反射が疼くやうに網膜を差すのに眼を細めながら...
南部修太郎 「疑惑」
...目差す娘が白日の下に現れたのを見付けたのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その花を二つに分けて左右の花たてに差すと...
原民喜 「夏の花」
...目下から目上に盃を差すのは礼儀ではない...
久生十蘭 「ひどい煙」
...あれは?」指差す温室端(はし)の小扉は...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...」村長が左う云つて私の鼻先に指を差すと...
牧野信一 「その村を憶ひて」
...岡のべの新緑は斜めに差すあざやかな光に...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...更にしつこく差す...
三好十郎 「おスミの持参金」
...」長羅は彼の指差す方を振り向いた...
横光利一 「日輪」
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