...ひとりずつ真正面から向って手銛(てもり)を差すのだから...
谷譲次 「踊る地平線」
...それからまた胴乱(どうらん)と云って桐(きり)の木を刳(く)り抜いて印籠(いんろう)形にした煙草入れを竹の煙管筒にぶら下げたのを腰に差すことが学生間に流行(はや)っていて...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...隣の廂間(ひさしあい)から差す空の薄明りに戦(そよ)いでいた...
徳田秋声 「黴」
...指差す方を見ると...
中谷宇吉郎 「面白味」
...格子(こうし)から差す戸外(そと)の日影を背に受けて...
夏目漱石 「虞美人草」
...「裏から出て雨戸へ釘を差すなり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「これは何んだ」「櫛ですよ」「櫛はわかつて居る――まさか熊手と間違やしめえ」「その櫛に曰(いは)くがありさうなんで」「何處の新造に貰つて來たんだ」「今頃こんな古風な櫛を差す新造(しんぞ)はありませんよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...先づ一つを差すのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それは決して定石を無視して差すのではなくして...
野呂栄太郎 「名人上手に聴く」
...その花を二つに分けて左右の花たてに差すと...
原民喜 「夏の花」
...」村長が左う云つて私の鼻先に指を差すと...
牧野信一 「その村を憶ひて」
...岡のべの新緑は斜めに差すあざやかな光に...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...図星を差すことはならぬと見える...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...どうしたのか余り話したがらず)……ああ閂を差すのがまだだった...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...僕は羽織の紋に杯を差すものがあろうとは思い掛けなかったのである...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...朝日の光が荒い縞(しま)のように泉の畔(ほとり)に差す...
森鴎外 「杯」
...どこからか差す明りが...
リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「白」
...御神酒徳利(おみきどっくり)に差す飾り物で...
柳宗悦 「手仕事の日本」
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