...誰の差し金かは分らぬが――恐らく彼に反対する一派のものの投書によってらしかったが――抜打ち的に県から二人の役人がやって来て村の金庫をあらためようとした...
犬田卯 「瘤」
...王の差し金により...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...差し金を持って見込みの仕事をするのならなんでも出来るが...
高村光雲 「佐竹の原へ大仏をこしらえたはなし」
...そのあとから扉(とびら)に差し金をおろしてしまった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...二人の娘達が夫たちの差し金で...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...父の差し金ではありません...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...そしてすぐに吉原(なか)へゆくゆえ、乗物の、支度支度」九雪之丞も、つねづねならば、仲の町のお供なぞは、平に辞退するのであるが、今宵は、自分の差し金で、広海屋が、上方米を廻漕(かいそう)し、やがて、長崎屋と一戦を、開始することにもなろうと言うことを、ハッキリと聴いたので、一種、異様な満足を覚え、なおもとくと、この大商人の有頂天(うちょうてん)なありさまを見聞し、やがて打って変った大打撃をあたえた場合、喜悲両様の表情を思い比べて見たいというような、意地の悪い好奇心にさそわれ、ともども北廓への乗ものをつらねたのであった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
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