...すると差し当り困るのは...
薄田泣菫 「茶話」
...政吉はまず差し当りの儲(もう)けを見て行くという意見で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...只今の所差し当り私一人で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...私一個の腕としてこの大物(おおもの)を立派にやり上げるということはお恥ずかしいが不安心であります……といって私の片腕となって立派にこの馬をやりこなせる人物は差し当り学校には見当りません……」「なるほど...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...それで差し当り水素を細い硝子(ガラス)管の先から噴出させて...
中谷宇吉郎 「球皮事件」
...差し当りどうかしなければならないのは...
夏目漱石 「こころ」
...そのなかで差し当りのないように暮らすのを至善(しぜん)と心得ている...
夏目漱石 「野分」
...差し当り、其方に多与里を嫁合(めあわ)せようと思うがどうじゃ」「それは」「よいではないか、半年も其方の長屋に通って、顔を合せた間柄だ...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...が、差し当り、このレコードは逆に廻して吹込んだものとわかっても、在来の蓄音機では、レコードを逆に廻す方法はありません...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...差し当り一の子分の八五郎兄哥の見込みを聴かして貰おうじゃないか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...差し当りあの判じもののような手紙を読み直して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...差し当りて其処此処(そこここ)に宿泊せしめ置きたる壮士の手当てを如何(いか)にせんとの先決問題起り...
福田英子 「妾の半生涯」
...差し当りて両親兄弟への申し訳を如何(いか)にすべきと...
福田英子 「妾の半生涯」
...差し当りどんな表現もとり得ない)百姓 ……あやつも...
三好十郎 「おりき」
...芸術と芸術家は政治およびイデオロギイが成し得ない事を成しとげる事がある――と言ったふうに実は強いのだが――差し当りの現実の中では弱いんですよ...
三好十郎 「恐怖の季節」
...芸術自体の本質の中に現実的政治およびイデオロギイとは差し当り反撥したり離反したりする必然性があるのだと思わざるを得ないわけです...
三好十郎 「恐怖の季節」
...犬塚の顔が差し当り木村の方に向いているので...
森鴎外 「食堂」
...差し当り先ずこれから探り出さねばなるまい...
夢野久作 「白髪小僧」
便利!手書き漢字入力検索