...朱鞘(しゅざや)の大小をかんぬき差しに差した身の丈(たけ)抜群の侍(さむらい)だった...
芥川龍之介 「本所両国」
...扇子(せんす)を袴のうしろに差して来る人もある...
太宰治 「散華」
...しかしそう云う風にして眼をつぶりながら次第に抜き差しのならないハメへ身を落し込んで行くのでなければ...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...そうして面と顔を差し向ってみると...
近松秋江 「霜凍る宵」
...もう日暮れに差し掛かっていた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...そして、脇差を差して、草履の無いのに、一寸、躊躇していたが、すぐ、跣足のまま、急ぎ足に――二人の方へ、振向きもしないで、去ってしまった...
直木三十五 「南国太平記」
...念のため提灯を差し込んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...恐らくは直ちに討手が差し向けられるに違いない...
長谷川伸 「討たせてやらぬ敵討」
...雨戸の節穴から差してくる月の光さえも神経を青ざめさせた...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...人差し指ほどの焼き麺麭(パン)...
久生十蘭 「キャラコさん」
...つひぞ村では見たこともないやうな真更(まつさら)な帽子と帯とを彼の前へ差し出し...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...注意しないと」扉の下から一条の光りが暗闇に差している...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...水差しで濡らした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...私は綿入羽織をきて針差しのように丸くなっています...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...仲買人には前に借金が有つたのを差し引かれたために金が少くなつてしまつたことを嘆きながら...
三好十郎 「おスミの持参金」
...べつになんにも」耳に薄く血を差したようだつた...
三好十郎 「肌の匂い」
...注ぎ終りし時は細き竹釘あるいは木釘を二本作りその孔へ差し込みおくべし...
村井弦斎 「食道楽」
...召し上がってから「眠る」おふとんをお直しして差しあげようとして...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
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