...自然が巧妙な皮肉をやっているようなものだった...
有島武郎 「或る女」
...こんな事から事務長と葉子との関係は巧妙な手段でいち早く船中に伝えられたに違いない...
有島武郎 「或る女」
...悉く自然が巧妙な均衡のもとに所有してゐたところのものではないか...
有島武郎 「描かれた花」
...グローチ元帥は巧妙なる指揮によりプロイセン第三軍団をその正面に抑留するに成功したが...
石原莞爾 「戦争史大観」
...それは巧妙な地中望遠鏡でありました...
海野十三 「怪塔王」
...「あの巧妙な手や足はずいぶん巧妙にできているが...
海野十三 「蠅男」
...僕は毎日毎日その男の此上もなく巧妙な復讐のことより外は考えなかった...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...私はむしろ近松の用ひた此の巧妙な比喩の含んでゐる問題の中心は...
相馬御風 「実物と模型」
...有名なサファイアの首飾りをさらおうと計画した悪党を大へん巧妙なわなにかけて...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「とけない問題」
...勤勉な者、巧妙な者、倹約な者の労働の成果、貯蓄の成果を共同の所有としようと強いるのは、これらの人々の手からこれらを奪って、懶惰(らんだ)な者、巧妙でない者、浪費者のために与えるものであり、すべての人々から、各自の目的の追求が適当であったか否かの責任を奪うものであり、各自の使命の遂行が道徳的であったか否かの責任を奪うものである...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...巧妙な人物で、百姓のように狡猾(こうかつ)で頑固(がんこ)で、根は正直だが小心翼々たるところはなく、非常な働き者で快活であって、ずるい質朴(しつぼく)さや露骨な話しぶりや財産などのために、十里四方の人々から重んぜられ恐れられていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...『註文帳』の作者が篇中その事件を述ぶるに当って雪の夜を択んだことを最も巧妙なる手段だと思っている...
永井荷風 「里の今昔」
...巧妙な組織の下に堅固な信仰を維持してきたことを明らかにしたのでした...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...官吏社会で行われる巧妙なトリックには...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ずるい策略とか巧妙な陰謀など...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...ただ巧妙な技を示す仕事に落ちてしまったことを匿(かく)すことが出来ない...
柳宗悦 「樺細工の道」
...昔の和歌に巧妙な古歌の引用をもって賞讃を博したものがあるが...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
...役者が巧妙な芸を演ずれば演ずるほど我々はますます醜悪の感を深くするのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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