...自分は自分の中に巣くう醜と惡とを見て羞恥の爲に飛上らざるを得ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...馬の尾に巣くう鼠(ねずみ)はありと聞けど...
泉鏡花 「海の使者」
...それらはあまりに宏壮でその住人はそこに巣くう害虫にすぎぬ感がある...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...人は炉のなかに巣くうこともできるし窓の隅や長椅子のうえにうずくまることもできるし...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...ガードの下に巣くうている小店もある...
高浜虚子 「丸の内」
...僕自身へ巣くう生半可な態度は...
太宰治 「虚構の春」
...天井裏に巣くう鼠(ねずみ)...
太宰治 「新ハムレット」
...毒蛇の巣くう灌木(かんぼく)草原地帯を貫き...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...越鳥(えっちょう)は南枝に巣くうということだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...三室に巣くう第三流新聞の悲しさで...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...こころには蛇蝎(へび)が巣くうてゐるのです! あたしは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...どうしやうがあるだ? 婆あの肚のなかには悪魔が巣くうてゐるだもん...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...東部のクラブに巣くう連中で一人や二人...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...しぶい微笑がその黒い髭の中に巣くう鳥のように動いた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「魚と蠅の祝日」
...社稷(しゃしょく)に巣くう奸党を剿滅(そうめつ)なされたら如何なものでしょう...
吉川英治 「三国志」
...高野山(こうやさん)などの法城に巣くう僧徒兵力がみなそれであり...
吉川英治 「新書太閤記」
...ここに巣くう悪の一群(ひとむれ)は...
吉川英治 「親鸞」
...米倉の屋根に雀が巣くう...
和辻哲郎 「歌集『涌井』を読む」
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