...遠い山巓(さんてん)から漲り落ちる大石の洪水の上にゐるのであつた...
芥川龍之介 「槍ヶ嶽紀行」
...山巓に自分を待つ可き靜かなる旅舍と...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...信仰の絶巓(ぜってん)に登りて...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...十三 槍ヶ岳絶巓小峰を越して少し登れば大槍...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...峻岳(じゆんがく)の巓(いたゞき)に苗田ある事甚奇なり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...葛城山の山巓が金色に輝いてゐるのをよく見受けましたところから...
薄田泣菫 「詩集の後に」
...我々の佇んでいるこの絶巓から...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...山巓に達する軌道あり...
長塚節 「草津行」
...其(そ)れが白(しろ)い程(ほど)亂(みだ)れて飛(と)ぶ鴉(からす)の如(ごと)き簇雲(むらくも)を遠(とほ)い西山(せいざん)の頂巓(いたゞき)に伴(ともな)うて疾風(しつぷう)は驅(かけ)るのである...
長塚節 「土」
...頭の巓辺(てっぺん)から足の爪先までがことごとく公案で充実したとき...
夏目漱石 「門」
...俄(にわ)かに山巓(さんてん)の観測所に閉居するに至らば...
野中到 「寒中滞岳記」
...家七間霧にみな貸す初秋を山の素湯(さゆ)めで来しやまろうど赤城山巓大沼のほとりにその昔一軒の山の宿があつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...誰一人敢て丘陵の巓(いたゞき)に登つたものが無い...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...由子は遠く山巓(さんてん)に湧き出した白雲を見ながら...
宮本百合子 「毛の指環」
...鷲が二羽 降りようとして舞つてゐる巖のあらはな巓を 私は仰ぎ 私はたちどまるその山の肩のあたり 林の盡きた笹原に 私は籠手を翳し私は逡巡する さてまづ晝餉をしたためる...
三好達治 「鷲」
...そして銀色に光る山の巓が一つ見え二つ見えて来た...
森鴎外 「木精」
...空に聳(そび)えている山々の巓は...
森鴎外 「木精」
...9525山々の棘々(とげとげ)しい巓(いただき)が...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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