...山巓から襲ひ來る霧の中に立盡した時...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...旅人の高山の巓(いたゞき)に登り得て...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...また誇るべき孤独(中略)山巓と...
石川欣一 「可愛い山」
...茶褐色の草とに掩われた山巓が浮き上るのは...
石川欣一 「山を思う」
...是日山巓兩中の地爆裂して火を噴き砂石泥土を迸流し山麓の諸里落是が爲めに蕩盡せられ人畜の死傷せるもの夥し是時島の近海に新嶼を生ぜり...
石川成章 「櫻島噴火の概況」
...我の肺は万丈の頂巓にあるも我に疲労を感ぜしめず...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...ここには久米の皿山の巓(いただき)ごしにさす影を...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...今年(大正四年七月十八日)に平ヶ岳の絶巓(ぜってん)に立って鶴ヶ岳を望見することが出来た...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...我々の佇んでいるこの絶巓から...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...しかもわれはこの絶巓の眺望を限りなき激賞の念を以て見ざることを得ざりき...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...其(そ)れが白(しろ)い程(ほど)亂(みだ)れて飛(と)ぶ鴉(からす)の如(ごと)き簇雲(むらくも)を遠(とほ)い西山(せいざん)の頂巓(いたゞき)に伴(ともな)うて疾風(しつぷう)は驅(かけ)るのである...
長塚節 「土」
...自然の傾向から云えば吾輩が長く松樹の巓(いただき)に留(とど)まるを許さんに相違ない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ヘルセツゲンの山の巓から渦巻の漏斗(じやうご)の底を...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...鷲が二羽 降りようとして舞つてゐる巖のあらはな巓を 私は仰ぎ 私はたちどまるその山の肩のあたり 林の盡きた笹原に 私は籠手を翳し私は逡巡する さてまづ晝餉をしたためる...
三好達治 「鷲」
...9525山々の棘々(とげとげ)しい巓(いただき)が...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...陣営のある所からまたすこし登った平井山の山巓(さんてん)に近い一平地である...
吉川英治 「新書太閤記」
...まだ絶巓(ぜってん)には氷原(ひょうげん)もあろうというのに...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...雪を被つた山巓(さんてん)も無論いゝ...
若山牧水 「樹木とその葉」
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