...すぐにその巌石を小山のような肩へ抱(だ)き取った...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...私(わたくし)はとある巌(いわ)の上(うえ)に坐(すわ)って統一状態(とういつじょうたい)に入(はい)って見(み)ますと...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...巌端(いわばな)にちょこなんと平胡坐(ひらあぐら)かいてぞいたりける...
泉鏡花 「悪獣篇」
...元来この小説は京都の日の出新聞から巌谷小波(いわやさざなみ)さんの処へ小説を書いてくれという註文が来てて...
泉鏡花 「おばけずきのいわれ少々と処女作」
...それで巌飛びに飛移って...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...これは金剛巌先生の能舞台姿から着想したものであります...
上村松園 「謡曲と画題」
...出船入船などの奇巌...
大町桂月 「秋の筑波山」
...巌丈(がんぢやう)な両肩を揺(ゆす)ぶりながら笑つた...
薄田泣菫 「茶話」
...人跡罕なるところ、幽谷断崖、巌崛洞門、その広狭深浅誰か能く之を知らん...
高木敏雄 「比較神話学」
...知れる目よりはこの大山(たいさん)巌々(がんがん)として物に動ぜぬ大器量の将軍をば...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...詩人梁川星巌の不忍池畔に居ったのは天保十年の夏より冬に至る間のことで画家酒巻立兆なるものの家に寓していたのである...
永井荷風 「上野」
...途端に、見はるかす眼下の森、谷、巌から、其等が大きく傾斜して海に続く迄の風景が、雨あがりの落暉(らっき)の中に、見る見る鮮明さを加えて浮かび上った...
中島敦 「光と風と夢」
...あんなに巌畳(がんじょう)だったドアがこんなにまで破壊し尽されたことを昨夜少しも知らずにいたことが彼を気味わるがらせた...
堀辰雄 「恢復期」
...これは当寺から西の方の寒巌と申す石窟に住んでおりますものでございます...
森鴎外 「寒山拾得」
...「どうしたッ?」どやどやと阿巌のまわりには同門の法師たちが駈け寄って真っ黒になっていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ふと立寄りました青巌寺の坊さまのおうわさに...
吉川英治 「宮本武蔵」
...巌流に敗れをとるような儀はあるまいとは思われますが――勝敗はわかりません...
吉川英治 「宮本武蔵」
...巌流はふとさびしい気もした...
吉川英治 「宮本武蔵」
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