...熱を病んだやうに慌しく――わしを彼女から引離してしまふ嶮しい山路の上に...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...お金は元來性質に多少嶮しい處のあつた女かも知れなかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...支那にある嶮しい山のお関所のことだよ」そう説明しながら...
田中英光 「箱根の山」
...庭園というよりは嶮しい生垣もしくは土手といいたい一むらの籔地がある...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...丘の一番嶮しい地点に小さな墓地があって...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...嶮しい目を赤くして夕方帰って来ると...
徳田秋声 「足迹」
...町は海岸の停車場から五キロほど山道を曲りくねって登った所に嶮しい階段のように造られ...
野上豊一郎 「エトナ」
...すぐ近くに見える山脈に嶮しい翳りが拡がつて...
原民喜 「氷花」
...嶮しい眼つきをなすつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...馬の背と山駕籠と草鞋の旅人だけが通る嶮しい山径だつた...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...唐松村は四方を嶮しい山にとり囲まれた明るい盆地の村で...
牧野信一 「バラルダ物語」
...嶮しいところを登るのが悪いと私は言っているのではない...
松濤明 「ピークハンティングに帰れ」
...嶮しい感情がひそめられるような状態になっている...
宮本百合子 「明日をつくる力」
...嶮しい岩山を勇士が守っています...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...彼もかくまで嶮しい所と考えていなかったかもしれない...
吉川英治 「源頼朝」
...しかも自分等の立つた頂上からも最も手近に聳えた一つの峯は我等の立つてゐる山とは似もつかず削りなした樣な嶮しい岩山であつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...最も嶮しい道である...
若山牧水 「樹木とその葉」
...今までよりずっと嶮しいのをお互いに知っていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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