...疲れきった男女の六部(ろくぶ)が嶮しい崖縁で休息(やす)んでいる処から始まるんです...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
...明日は國に歸れると言ふので勇み勇んで嶮しい高い山路を登つた...
田山花袋 「歸國」
...それを思へばこそ――二人してその嶮しい山路を歩くことに興味を感じ...
田山録弥 「山間の旅舎」
...中国はちょっと嶮しい眼付をして見せるだろう...
豊島与志雄 「新たな世界主義」
...細い嶮しい崖径を通る時...
中村地平 「霧の蕃社」
...すぐ近くに見える山脈に嶮しい翳りが拡がつて...
原民喜 「氷花」
...これは冗談だとしても」加十は嶮しい小径を下って崖下の空地まで辿りつく...
久生十蘭 「魔都」
...嶮しい眼つきをするのが癖になつたね...
牧野信一 「鏡地獄」
...梯子段が嶮しい山へ登る径のやうにミヅグルマの背後を縫つて稲妻型に折れ曲つてゐるのだ...
牧野信一 「沼辺より」
...それだけ女の生きる道が嶮しいわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...かれは嶮しい目つきをして此方(こっち)をにらんだ...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...この嶮しい岩の道を難有(ありがた)くお思(おもい)なさい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...嶮しい道を縮める水の流だ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...あの嶮しい一ノ谷の真上へ出たなどという旧来の説は...
吉川英治 「随筆 新平家」
...最も嶮しい道である...
若山牧水 「樹木とその葉」
...今までよりずっと嶮しいのをお互いに知っていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...私は嶮しい岩を流まで下りて行った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...神の道は嶮しい、神は残酷だ、と言った哲人の言葉がしみじみと胸にこたえる...
和辻哲郎 「転向」
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