...我々は先ず嶮しい丘を登った...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...嶮しいところが少しづつ表面に現はれて來るやうになつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...嶮しい渠(みぞ)のついていることであった...
モリス・ルヴェル Level, Maurice 田中早苗訳 「誰?」
...嶮しい登り道がある...
豊島与志雄 「山上湖」
...頂上近くは少し嶮しい...
豊島与志雄 「自由人」
...細い嶮しい崖径を通る時...
中村地平 「霧の蕃社」
...竜太郎は、嶮しい眼付で、ぐるりと部屋のなかを見まわした...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...嶮しい眼つきをするのが癖になつたね...
牧野信一 「鏡地獄」
...たゞ思ひ浮べるのはあれらの嶮しい山径が今も越え難い雪解の深さに遥かである思ひだけで...
牧野信一 「剥製」
...Iは蛾を握つたまま暫く彼の嶮しい顏を眺めてゐた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...何思ったのか二人の方に向って嶮しい顔つきをして降りて来た...
横光利一 「馬車」
...こんな嶮しい山路をたどって...
吉川英治 「三国志」
...その嶮しい道を攀(よ)じるとすれば...
吉川英治 「新書太閤記」
...あの嶮しい一ノ谷の真上へ出たなどという旧来の説は...
吉川英治 「随筆 新平家」
...居ながらにして眼さきから直ぐ下に押し降(くだ)つて行つてゐる峽間(はざま)の嶮しい傾斜の森林を見下すことが出來た...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
...夕日さす枯野が原のひとつ路わが急ぐ路に散れる栗の實音さやぐ落葉が下に散りてをるこの栗の實の色のよろしさ柴栗の柴の枯葉のなかばだに如(し)かぬちひさき栗の味よさおのづから干て搗栗(かちぐり)となりてをる野の落栗の味のよろしさこの枯野猪(しし)も出でぬか猿もゐぬか栗美しう落ちたまりたりかりそめにひとつ拾ひつ二つ三つ拾ひやめられぬ栗にしありけり芒の中の嶮しい坂路を登りつくすと一つの峠に出た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...今までよりは嶮しい野路の登りとなっていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...やがてそれが迷路だと知った時にはもう降りるに降りられぬ嶮しい所へ来ていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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