...嶮しい登り道がある...
豊島与志雄 「山上湖」
...唯嶮しい鋭さが残つてゐた...
北條民雄 「月日」
...」みそのは藤吉に当てこすつて嶮しい眼つきだつた...
牧野信一 「淡雪」
...それだけ女の生きる道が嶮しいわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...6195所がわたし共は今嶮しい阪の下に立っています...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...Iは蛾を握つたまま暫く彼の嶮しい顏を眺めてゐた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...何思ったのか二人の方に向って嶮しい顔つきをして降りて来た...
横光利一 「馬車」
...」外交官の歎願の様子が次第に嶮しい表情に変って黙ってしまった...
横光利一 「旅愁」
...先は裏道(うら)の嶮しいところとも知らずに...
吉川英治 「江戸三国志」
...こんな嶮しい山道は...
吉川英治 「三国志」
...しかも自分等の立つた頂上からも最も手近に聳えた一つの峯は我等の立つてゐる山とは似もつかず削りなした樣な嶮しい岩山であつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...山の嶮しい姿と言ひ...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
...園のはづれの嶮しい松林の松の根を這ひながら二三人して降りて行つた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...とり/″\に紅葉した雜木林の山を一里半ほども降つて來ると急に嶮しい坂に出會つた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...夕日さす枯野が原のひとつ路わが急ぐ路に散れる栗の實音さやぐ落葉が下に散りてをるこの栗の實の色のよろしさ柴栗の柴の枯葉のなかばだに如(し)かぬちひさき栗の味よさおのづから干て搗栗(かちぐり)となりてをる野の落栗の味のよろしさこの枯野猪(しし)も出でぬか猿もゐぬか栗美しう落ちたまりたりかりそめにひとつ拾ひつ二つ三つ拾ひやめられぬ栗にしありけり芒の中の嶮しい坂路を登りつくすと一つの峠に出た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...それほど嶮しい山であっても唯だ一面の鏡を立てた様な岩壁となっているのではない...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...その宿はずれから右手を見下すと其処は思いがけぬ嶮しい崖となっていて丁度崖の下で二つの渓流が落ち合い...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...神の道は嶮しい、神は残酷だ、と言った哲人の言葉がしみじみと胸にこたえる...
和辻哲郎 「転向」
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