...嶮しい山路を登つてゐた...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...我々は先ず嶮しい丘を登った...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...中国はちょっと嶮しい眼付をして見せるだろう...
豊島与志雄 「新たな世界主義」
...細い嶮しい崖径を通る時...
中村地平 「霧の蕃社」
...嶮しい山の上の農家の軒先きには...
林芙美子 「旅人」
...スケッチ正面に嶮しい坂...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...嶮しい眼つきをするのが癖になつたね...
牧野信一 「鏡地獄」
...梯子段が嶮しい山へ登る径のやうにミヅグルマの背後を縫つて稲妻型に折れ曲つてゐるのだ...
牧野信一 「沼辺より」
...見事に径が嶮しいのである...
牧野信一 「三田に来て」
...」「ロールツヒ先生が承知なさつたら妾は、あなたの恋人になつても関(かま)ひませんよツ!」と踊子は、嶮しい眼をして、そんなことを憾みがましく云ひ放つた...
牧野信一 「山彦の街」
...Iは蛾を握つたまま暫く彼の嶮しい顏を眺めてゐた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...」外交官の歎願の様子が次第に嶮しい表情に変って黙ってしまった...
横光利一 「旅愁」
...彼方の嶮しい山の中腹に...
吉川英治 「三国志」
...初め意外な人數と賑ひとを見て驚いた私の眼にはやがて毎日々々五人十人づつ打ち連れて宿の門口から續いてゐる嶮しい坂路を降りてゆく彼等の行列を見送ることになつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...やがて九十九折(つゞらをり)の嶮しい坂にかゝつた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...その宿はずれから右手を見下すと其処は思いがけぬ嶮しい崖となっていて丁度崖の下で二つの渓流が落ち合い...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...岩山の岩の荒肌ふき割りて噴き昇る煙とよみたるかもわが立てる足許広き岩原の石の蔭より煙湧くなり平湯温泉噴火の煙の蔭を立去ると我等はひた下りに二三里に亘る原始林の中の嶮しい路を馳せ下った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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