...嶮しいところが少しづつ表面に現はれて來るやうになつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...四里の嶮しい山路を満五歳の幼児に歩かせるのは無理だろうか...
田中英光 「箱根の山」
...そこにある高い嶮しい絶壁を並んで二人して通る時には...
田山録弥 「島からの帰途」
...大平(おほたひら)まで上つて行く嶮しい舊道は...
田山花袋 「日光」
...そして彼は嶮しい眼つきで...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...嶮しいものがあることは...
中村地平 「霧の蕃社」
...嶮しい眼つきをなすつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...馬の背と山駕籠と草鞋の旅人だけが通る嶮しい山径だつた...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...ふと女が嶮しい聲で云つた...
正宗白鳥 「雨」
...嶮しいところを登るのが悪いと私は言っているのではない...
松濤明 「ピークハンティングに帰れ」
...Iは蛾を握つたまま暫く彼の嶮しい顏を眺めてゐた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...嶮しい峰の上にちらちら輝いてゐる...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
...星あかりの空を限つて聳えた嶮しい山の峰からその聲が落ちて來る...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
...今までよりは嶮しい野路の登りとなつてゐた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...やがて九十九折(つゞらをり)の嶮しい坂にかゝつた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...夕日さす枯野が原のひとつ路わが急ぐ路に散れる栗の実音さやぐ落葉が下に散りてをるこの栗の実の色のよろしさ柴栗の柴の枯葉のなかばだに如かぬちひさき栗の味よさおのづから干て搗栗(かちぐり)となりてをる野の落栗の味のよろしさこの枯野猪(しし)も出でぬか猿もゐぬか栗美くしう落ちたまりたりかりそめにひとつ拾ひつ二つ三つ拾ひやめられぬ栗にしありけり芒の中の嶮しい坂路を登りつくすと一つの峠に出た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...全体の傾斜に添う様な嶮しい角度で幾多の襞が切れている...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...神の道は嶮しい、神は残酷だ、と言った哲人の言葉がしみじみと胸にこたえる...
和辻哲郎 「転向」
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