...我々は先ず嶮しい丘を登った...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...大平(おほたひら)まで上つて行く嶮しい舊道は...
田山花袋 「日光」
...嶮しい目を赤くして夕方帰って来ると...
徳田秋声 「足迹」
...そして彼は嶮しい眼つきで...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...尚お嶮しい寂しさを感ずる事もあるらしかった...
松永延造 「ラ氏の笛」
...この嶮しい岩の道を難有(ありがた)くお思(おもい)なさい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...)この通(とおり)己は嶮しい岩の阪道や...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...嶮しい岩山を勇士が守っています...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...Iは蛾を握つたまま暫く彼の嶮しい顏を眺めてゐた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...何思ったのか二人の方に向って嶮しい顔つきをして降りて来た...
横光利一 「馬車」
...しかし、旅籠(はたご)の手代には、山越えの道や、その他のことを聞いたのみで、さり気なくそこを別れて、「お嬢様、今の話の様子では、あの女もまだ遠くには参っておらぬようでござる」「今日いッぱい、足を早めて行ったならば、追いつけるかも知れないね」「ただ、この嶮しい道を、あなた様のそのお優しい足で歩かせるかと思うと、久米之丞は負ぶってでも上げたいように思います」「久米之丞...
吉川英治 「江戸三国志」
...坂なりの宿場を通り過ぎると愈々嶮しい登りとなつた...
若山牧水 「木枯紀行」
...あたりを見しても嶮しい山の傾斜のみで...
若山牧水 「樹木とその葉」
...園のはずれの嶮しい松林の松の根を這いながら二三人して降りて行った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...極めて嶮しい山腹に沿うて茂っているので...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...附近の山全帯が屏風を立てた様な殆ど垂直の嶮しい角度で双方に切り立って起っている底をその渓は流れているのであった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...三四町の幅をおいた池の向うには岩ばかりから成り立った嶮しい山が恰もその池を抱く様にして聳えていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...神の道は嶮しい、神は残酷だ、と言った哲人の言葉がしみじみと胸にこたえる...
和辻哲郎 「転向」
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