...左に崔嵬たる相馬山あらはる...
大町桂月 「冬の榛名山」
...自家の磊嵬に濺(そそ)ぐものとも思われないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...一口に言えば蘆葦茅草(ろいぼうそう)の中の川原の石の磊嵬(らいかい)たるところに...
中里介山 「大菩薩峠」
...(そのとき嵬は、ちよいとセルロイドの縁の眼鏡をはづして、目が痛いやうにそこを指先で抑へてゐた...
堀辰雄 「顏」
...そのとき彼の空いてゐる方の手にそつと嵬が小さな紙片を握らせた...
堀辰雄 「顏」
...「――嵬んだ」薄暗いやうな階段の中途で...
堀辰雄 「顏」
...嵬たちはときどき彼のところへ遊びに來ることはあつても...
堀辰雄 「顏」
...自分の前に荒々しくペンを走らせてゐる嵬の亢奮したやうな顏を...
堀辰雄 「顏」
...嵬は書きものをしてゐるときの癖らしく...
堀辰雄 「顏」
...嵬はもうそんなのは厭になつてしまつたのだ……...
堀辰雄 「顏」
...そしてこれまで飮んだこともないやうなウイスキイを炭酸水で割つて(彼はそれが嵬の習慣であつたことを思ひ出しながら)...
堀辰雄 「顏」
...路易は嵬に會つてゐる間だけ...
堀辰雄 「顏」
...嵬はぢいつと彼を見つめた...
堀辰雄 「顏」
...「これだよ……」嵬はまだなまなましく赤インクのついてゐる手を出して見せた...
堀辰雄 「顏」
...路易も嵬のするやうにしてウイスキイを飮んだ...
堀辰雄 「顏」
...酒場を出てからも路易はいつまでも嵬に別れたがらなかつた...
堀辰雄 「顏」
...路易はぶらさがるやうにして嵬の肩に手をかけてゐた...
堀辰雄 「顏」
...この六月に馬嵬(ばかい)で殺されてお終(しま)いになった...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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