...紙鳶は嵐の雲の傍まで上つて行つた...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...――タカムラ!――テルミドール!声援は嵐のようだった...
犬田卯 「競馬」
...嵐の中にまるで降りとめられたようにじっとうごかない...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...餘程氣を附けないと險難(けんのん)だよ」と五十嵐は言葉をついでぢつと考へてゐたが...
高濱虚子 「俳諧師」
...これは五十嵐が通ひ始めた頃の手紙で...
高濱虚子 「俳諧師」
...嵐だと考えながら二階を下りて室(へや)に帰った...
寺田寅彦 「嵐」
... 470炎々として燃えあがる火焔の嵐立たしめつ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...おまえの血の中に嵐(あらし)を巻き起こすんだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...例の悪洒落(わるじゃれ)の嵐(あらし)が過ぎ去るのを静かに待った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...牛込赤城(うしごめあかぎ)の嵐光(らんこう)人家を隔てて翠色(すいしょく)滴(したた)らむとす...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...これから先はどうと言うて、拙者にもいっこう考えがつかぬ、五十嵐、君に何か思案があらば聞こうではないか」「君に思案のないものを拙者において思案のあろうはずがない、ともかくも杖と頼んだあの贋金使いとハグれたのが我々の不運じゃ、悪い時に悪い犬めが出て来て邪魔をしたのがいまいましい」「闇と靄との中から不意に一頭の猛犬が現われて出て、我々には飛びかからず、あの贋金使いに飛びかかった、贋金使いも身の軽い奴であったが、あの犬には驚いたと見えて逃げたようだ、それを犬が追いかけて行ったきり、どちらも音沙汰(おとさた)がない、声を立てて呼ぶわけにはいかず、跡を追いかけるにもこの通りの闇、そのうち前後左右には破牢! 破牢! という捕手の声だ、それを潜(くぐ)って、やっとここへ忍び込んだけれど、これとても鮫鰐(こうがく)の淵(ふち)の中で息を吐(つ)いているのと同じことだ」「さあそれだから、いつまでもこうしてはいられぬ、まだ夜の明けぬうち、この靄と闇との深いうち、ここを逃げ出すよりほかに手段はあるまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...もう一人は五十嵐甲子雄(いがらしきねお)――この二人は...
中里介山 「大菩薩峠」
...嵐をついての鳥の使い――さえ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ときおり外の嵐に気がつくようにはっとなって目をひらいたが...
堀辰雄 「菜穂子」
...心の嵐でした...
堀辰雄 「リルケ年譜」
...不幸にも嵐に会って倒れてしまうと...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...と答えあう声の嵐...
吉川英治 「新書太閤記」
...狂乱するような大嵐が西からどっと沸き起こり...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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