...嵐も吹き出でようず空の如く...
芥川龍之介 「奉教人の死」
...五十嵐は「これは旨い...
高濱虚子 「俳諧師」
...二十一五十嵐は京都で世帶を持つ積りだといつてゐたが...
高濱虚子 「俳諧師」
...また不明な原因で勢力が衰えてしまって軽い嵐くらいですんでしまうことがしばしばあるのである...
寺田寅彦 「颱風雑俎」
...かしこみて願い奉りようよう切符を頂戴して立ちいずれば吹き上ぐる朝嵐に藁帽(わらぼう)飛んでぬかるみを走る事数間(すうけん)...
寺田寅彦 「東上記」
...道ぞいの流れの向うに裾をひいている山には濃い青嵐(せいらん)が煙(けぶ)ってみえた...
徳田秋声 「あらくれ」
...紫嵐(しらん)を凝(こら)すカルメル山脈の上...
徳冨蘆花 「馬上三日の記」
...しかし、かかる実践の中にぶち込まれることは、如何に自分が何も知らないかということを、激しい嵐が、樹々の弱い梢を払うように自分に知らしてくれる...
中井正一 「地方の青年についての報告」
...山嵐は無暗(むやみ)に牛肉を頬張(ほおば)りながら...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...おれと山嵐は一生懸命(いっしょうけんめい)に障子へ面(かお)をつけて...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...嵐の如き鼻息を先に立ててもどって来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今日はひどい嵐なり...
林芙美子 「新版 放浪記」
...御経にあるやうな文句が浮んで来たるべき所だといふ春だといふのに長者が崎から逗子の海を吹き捲くる嵐の様を見て居ると印度神話にある阿修羅が荒れてゐるやうだ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...昨年から今年へかけて同人雑誌で巣立った作家が嵐のように文壇へ送り出され...
平林初之輔 「文芸は進化するか、その他」
...りら子に会へるといふ悦びの吹雪で嵐であつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...咲枝が出京して午後の短い時間に思いもかけず見つかった乳母をきめたりして四時すぎ嵐のひくように太郎をつれて行きました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...吹きすさぶ嵐は鳴りも止まず...
吉川英治 「剣難女難」
...しかし山国の嵐気(らんき)のなかで隠岐の六百二十五年前の人と波濤を想像にのぼすなどは悪いコンディションであったとは思わない...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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