...室の一端には非常に大きな鹿の角が壁の中に嵌め込んであつて...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...併し其言ふ處を聞くと彼の非難は申分なく男にも當嵌りさうである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...技手は手袋を嵌めた両手を...
グスタアフ・ヰイド Gustav Wied 森林太郎訳 「薔薇」
...硝子の底蓋(そこぶた)が嵌(はめ)られた...
海野十三 「宇宙尖兵」
...ぽっくり嵌(は)めこみになっているのではあるまいか...
海野十三 「什器破壊業事件」
...数学に於ける連続の概念は如何なる普通の連続的なるものにも当て嵌まらなければならないには違いない...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...常に嵌口(かんこう)されながら常に囂々(ごうごう)たるその暗黙の闘争から...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...老人は狼狽して嵌めやうとしたが船の動搖が激しいので幾らあせつても嵌らぬ...
長塚節 「鉛筆日抄」
...彼等(かれら)は漸次(しば/\)家族(かぞく)の間(あひだ)の殊(こと)に夫婦(ふうふ)の爭(あらそ)ひに深入(ふかいり)して却(かへつ)て雙方(さうはう)から恨(うら)まれるやうな損(そん)な立場(たちば)に嵌(はま)つた經驗(けいけん)があるので...
長塚節 「土」
...何でもかでもそうだと貞奴をこの鋳型(いがた)に嵌(は)めようとするのではないが...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...同情や憐愍と云ふ言葉にも嵌り切らない...
葉山嘉樹 「万福追想」
...最後に手袋を嵌(は)めた時...
原民喜 「壊滅の序曲」
...どうも今では恐怖までが何か鈍重な枠(わく)に嵌(は)めこまれている...
原民喜 「壊滅の序曲」
...ウマウマ嵌められました段...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...その口に嵌め込まれた鉄棒が...
久生十蘭 「魔都」
...書棚でも嵌め込む積りか壁に六尺に二尺程窪みがついている...
「一本の花」
...蝶貝象嵌(ちょうがいぞうがん)の手筥(てばこ)の底へ...
吉川英治 「剣難女難」
...その指の一つに嵌(は)めていた肉彫りの金指環の菊模様までが...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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