...けれども彼は無花果の下や象嵌(ざうがん)をした杯(さかずき)の前に時々彼の友だちのクリストを思ひ出してゐたことであらう...
芥川龍之介 「西方の人」
...翡翠と金剛石とを嵌めこんでいる...
芥川龍之介 「上海游記」
...嵌(は)めこんだ鉄の棒がなかなかとれないから大丈夫...
海野十三 「俘囚」
...併し学生自身にはこの点はそのままあて嵌らない...
戸坂潤 「学生の技能と勤労大衆」
...之を空間表象に当て嵌めれば空間表象という状態を以て感覚し得る特殊の能力となる...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...であるからこの限定によって生じた結果をアリストテレスの実体に当て嵌めることは出来ない筈である...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...彼はあらゆる誘惑の罠(わな)に嵌(はま)って呪(のろ)われてしまった...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...是は詩の規則に嵌らぬものかと云ふことは...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...鉄に銀の象嵌(ざうがん)をした朝鮮の煙草箱を引き寄せ乍らその長い膝をグツと突き出して坐つた...
長與善郎 「青銅の基督」
...概括的に見て序・破・急の原則に当て嵌らないものとてはないのである...
野上豊一郎 「演出」
...どの音にも旨(うま)く嵌(はま)らない...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...しかもそのピンのいずれにも大きなダイヤモンドが嵌め込まれていたので...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...丹塗(にぬり)の唐格子の嵌(はま)った丸窓があり...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...その右に壁に嵌め込まれた大きな衣裳戸棚がある...
久生十蘭 「魔都」
...そういう象嵌(ぞうがん)だけとり出して小さい宝匣(ばこ)に入れておく魔法もなし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...木または金属でつくって嵌(は)めこんだものとがある...
柳田国男 「母の手毬歌」
...華燭(かしょく)という文字には当嵌(あてはま)らないほど仄暗(ほのぐら)かった...
吉川英治 「新書太閤記」
...弓掛(ゆがけ)を手に嵌(は)めて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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