...「大したものを嵌めているね」「これか? これはハルビンへ商売に行っていた友だちの指環を買わされたのだよ...
芥川竜之介 「歯車」
...壁をポンと開くと嵌(は)めこんだような超短波(ちょうたんぱ)の電話機があった...
海野十三 「間諜座事件」
...寧ろ戦時国際法の占領の法理の方がより良く当嵌ると思ふのだが――兎に角...
辰野隆 「書狼書豚」
...巌丈な不趣味な額縁に嵌めた絵からも...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...情意や信念は論理の形式に当て嵌まって初めて論理的内容となるのではない...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...それは一切の現象に例外なく当て嵌まるような普遍的関係を見出すまでである...
戸坂潤 「科学方法論」
...常識というものにも略々そのままあて嵌る...
戸坂潤 「思想としての文学」
...主人(しゆじん)の後(うしろ)に細長(ほそなが)い黒(くろ)い枠(わく)に嵌(は)めた柱時計(はしらどけい)が懸(かゝ)つてゐた...
夏目漱石 「門」
...どうも今では恐怖までが何か鈍重な枠(わく)に嵌(は)めこまれている...
原民喜 「壊滅の序曲」
...銀象嵌入りの赤い煙管とピカピカ光る燧鉄(うちがね)の入つた巾着を見て...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...クラシカルな額縁の中にちやんと嵌つてゐる...
堀辰雄 「ヴェランダにて」
...この隣りのおれの部屋にそれをすぽっと嵌(は)めておいたかも知れないぞ...
堀辰雄 「恢復期」
...私が覗いた寶石商店の飾り窓で見た二十萬圓くらゐするダイヤを嵌めた貴婦人は...
室生犀星 「巷の子」
...それに大さの違ふ淡紅色(たんこうしよく)の大理石で刻んだロゼツトが二つ嵌めてあつた...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...または象嵌(ぞうがん)...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...兇器の柄がシッカリ嵌(はま)っていない事を...
夢野久作 「巡査辞職」
...いつも嵌(は)めている金のさ...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...軍隊的な組織を持ったこの教団にぴったりと嵌ったのである...
和辻哲郎 「鎖国」
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