...崩れかかる雪のごとく鎬(しのぎ)を削る頼母(たのも)しさ...
泉鏡花 「海異記」
...ようやく崩れたあとを掘りかえしはじめたが...
海野十三 「火星兵団」
...彼はその石へ崩れるように腰をかけた...
田中貢太郎 「陳宝祠」
...大きな崖崩れで道路のこはれたあとがもう荒まし修繕が出来てゐた...
寺田寅彦 「雨の上高地」
...その根柢から崩れはじめたといえる...
中井正一 「歴史の流れの中の図書館」
...金助は崩れるほど嬉しがって...
中里介山 「大菩薩峠」
...壘壁の崩れか、所々に々たる石塊の山が積まれてゐる...
中島敦 「環礁」
...舟の纜(ともづな)に縋(すが)ってよよと泣き崩れる...
中島敦 「南島譚」
...私は六月の初旬にその崩れて行くさまも見た...
中村清太郎 「残雪の幻像」
...崩れた千兩箱はそのまゝ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...足元で基盤が崩れ落ちるようだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...ところどころ崩れた土塀の破れから...
正岡容 「小説 圓朝」
...お坊ちゃんの崩れだけに生きたお金はつかえなかったのだ...
正岡容 「わが寄席青春録」
...本当に生活がこわれ崩れたというだけの下らなさと自分から認めて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...崖が崩れていれば崩れた際まで草木が青く茂っていて...
柳田国男 「故郷七十年」
...岩の崩れる音と、地盤を揺りたてる震動の恐ろしさは、形容しようのないものであった...
山本周五郎 「山彦乙女」
...明治の初年に法螺貝が昇天したという崖崩れの跡も...
山本笑月 「明治世相百話」
...重々しい重量を示しながら崩れた砲塔のように影像を蓄えてのめり出した...
横光利一 「街の底」
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