...縫ぐるみを崩すと...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...――その黒山を押崩す様にして分け入った一行の感覚へ...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...二割以上の買物をしないで大銭を崩すことは仮令当方(こっち)がお客様であっても罪だと思っている...
辰野九紫 「青バスの女」
...△其實人心を買ひ崩す然るに之を四十八萬兩の金を以て樂々と手に入ると云ふのだ...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...沙山を造りて後に堆積を手にて脚にて崩すごと...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...壁をも突き崩すほどの絶望の一瞥を投げた...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...そしていつもきまった姿態を崩すことがない...
豊島与志雄 「白木蓮」
...無論自分の前にいる令嬢の遠慮と沈黙を打ち崩すにあった...
夏目漱石 「それから」
...御常の性格が牢(ろう)として崩すべからざる判明(はっきり)した一種の型になって...
夏目漱石 「道草」
...大店(おおだな)の主人らしい冷静と品位を崩すまいと骨を折ってるような何となく痛々しい四十五六年輩の男でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...商売の基礎すなわち商業の完全な状態における信用を崩す計算をしている混ぜ物処理システムを終わらせようとする...
アーサー・ヒル・ハッサル Arthur Hill Hassall, M.D. 水上茂樹訳 「食品とその混ぜ物処理」
...形をも崩すことなく...
二葉亭四迷 「余が翻訳の標準」
...関森はさういふ持前の顔つきをいささかも崩すことなしに...
牧野信一 「沼辺より」
...然るに門人中坐容を崩すものがあったのを見て...
森鴎外 「細木香以」
...それでもひと筋はっきりと隔てがあり礼儀を崩すようなことは少しもなかった...
山本周五郎 「契りきぬ」
...芸を崩す名人越路古老政太夫が「諭告」のこと東京の義太夫界は近年あまり振わぬが...
山本笑月 「明治世相百話」
...これ以上の知性の網は論理を崩す以外に方法はあるまいと嗅ぎつけるようになって来てからは...
横光利一 「スフィンクス(覚書)」
...矢代はそれを崩すのも却ってぎこちなくなりそうで...
横光利一 「旅愁」
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