...酒で崩して、賭博(ばくち)を積み、いかさまの目ばかり装(も)った、己(おの)の名の旅双六(たびすごろく)、花の東都(あずま)を夜遁(よに)げして、神奈川宿のはずれから、早や旅銭なしの食いつめもの、旅から旅をうろつくこと既にして三年越(ごし)...
泉鏡花 「浮舟」
...ちぎった書き崩しを拾って...
鈴木三重吉 「千鳥」
...世帯崩しのこの女中は...
徳田秋声 「足迹」
...もしそうならばこの二重の形態決定関係によって最初の形態は多少ともその形を崩し変装するであろうから...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...私も思はず顔を崩した...
外村繁 「打出の小槌」
...富士山を崩して相模灘(さがみなだ)を埋めようとしたり...
中里介山 「大菩薩峠」
...今まで放蕩無頼に身を持ち崩して...
中里介山 「大菩薩峠」
...それで形をすっかり崩してしまって...
中里介山 「大菩薩峠」
...その蒲団を崩しにかかりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...暴女王お銀様がこしらえた悪女塚を取崩して...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼が上海(しゃんはい)に行って身を持崩しているというような話も――これはやや後になってではあるが――聞いた...
中島敦 「虎狩」
...弟はその爲に身を持崩して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...左右に双(なら)びし大鶏の名をきくに、鉄石丸、火花丸、川ばた韋駝天(いだてん)、しゃまのねじ助、八重のしゃつら、磯松大風、伏見のりこん、中の島無類、前の鬼丸、後の鬼丸(これは大和の前鬼後鬼より採った名か)、天満(てんま)の力蔵、今日の命知らず、今宮の早鐘、脇見ずの山桜、夢の黒船、髭の樊(はんかい)、神鳴(なるかみ)の孫助、さざ波金碇(かねいかり)、くれないの竜田、今不二の山、京の地車、平野の岸崩し、寺島のしだり柳、綿屋の喧嘩母衣(けんかぼろ)、座摩の前の首、白尾なし公平、このほか名鳥限りなく、その座にして強きを求めてあたら小判を何ほどか捨てけると出(い)づ...
南方熊楠 「十二支考」
...真個(ほんと)に自分が家をもらう積りに成って居た所へ重三が出て来て目算をがらりと崩して仕舞ったのを恨んで居ると外思えなかったので...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...身をもち崩して一家ちりぢり...
山本周五郎 「半之助祝言」
...地に崩してしまった...
吉川英治 「大岡越前」
...女と酒に身を持ち崩してしまったと言われよう――重蔵は君を欺(あざむ)く大罪と知りながら...
吉川英治 「剣難女難」
...固くしてゐた膝をも崩し...
若山牧水 「山寺」
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