...嵯峨(さが)たる老木の梅の影が...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...遠(とほ)く高(たか)き峰(みね)の緋葉(もみぢ)は蒼空(あをぞら)を舞(ま)つて海(うみ)に散(ち)る……を鹿(じか)なく此(こ)の山里(やまざと)と詠(えい)じけむ嵯峨(さが)のあたりの秋(あき)の頃(ころ)――峰(みね)の嵐(あらし)か松風(まつかぜ)か...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...いつも自分の側で看病をしてゐてくれる弟子の橋本峨山を呼んで...
薄田泣菫 「茶話」
...嵯峨の方へ出かけて...
竹久夢二 「砂がき」
...明後八日の午後三時頃に嵯峨(さが)までお越しを願いたいのである...
谷崎潤一郎 「細雪」
...嵯峨の屋の自然を詠歎したやうな文章もその新聞に載せられた...
田山録弥 「紅葉山人訪問記」
...万一の時にはあの時嵯峨(さが)に一緒に参った友人を証人にして...
田山花袋 「蒲団」
...散歩の途次、私は二条駅の木柵に凭り、単線のレールが鈍く光っているのを眺めながら、花園、嵯峨、保津峡、更に胡麻、和知、安栖里、山家などと、頻りに旅が思われたりした...
外村繁 「澪標」
...また嵯峨野の奥の古刹から...
豊島与志雄 「恩人」
...嵯峨天皇の時には元白集は珍らしく...
内藤湖南 「平安朝時代の漢文學」
...嵯峨の先塋(せいえい)に詣ずる時などは...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...嵯峨の怪猫伝(かいびょうでん)の講談をはじめて読んだのは十ぐらいの時であった...
平山蘆江 「怪談」
...ジョオゼフ・グランヴィル私たちはそのとき峨々(がが)としてそびえ立つ岩の頂上にたどりついた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...峨々(がが)として見える...
本庄陸男 「石狩川」
...近くは春之舍おぼろ、嵯峨之舍おむろ、二葉亭四迷の如き、更に新しいところで太田正雄氏の如きは木下杢太郎、きしのあかしや、地下一尺生、その他めまぐるしい程の變名を用ゐてゐる...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...曾而(かつて)嵯峨に隠遁いたし候を茶山老人に招かれ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...妹たちもこの家にいるじぶんは嵯峨野(さがの)うつしなどといって自慢の一つにしていた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...皇太后(こうたいごう)の子(よしこ)に「――後嵯峨の御遺志は...
吉川英治 「私本太平記」
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