...これらの間を鋭い刃物で断ち割ったような深い峡間(はざま)...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...向側まで二十間とない峡間...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...この峡間(はざま)の関山宿に一泊あり...
江見水蔭 「怪異黒姫おろし」
...白骨のように宿屋一軒がすなわち峡間の一部落をなすというようなわけではなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの河を一里半北へ溯(さかのぼ)るとキリクランキーの峡間(はざま)があると云った...
夏目漱石 「永日小品」
...高地人(ハイランダース)と低地人(ローランダース)とキリクランキーの峡間(はざま)で戦った時...
夏目漱石 「永日小品」
...峡間の夜はすっかり更けていた...
山本周五郎 「新潮記」
...峡間(はざま)や...
山本周五郎 「山彦乙女」
...左の峡間(はざま)は「かんば沢」に...
山本周五郎 「山彦乙女」
...伊兵衛はまずこの峡間にある熊の道を襲うつもりで...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...堤を断った大河のように見る見るうち峡間いっぱいに押し詰り...
横光利一 「旅愁」
...羊の群れも峡間から消えて見えなくなったとき...
横光利一 「旅愁」
...椅子にもたれかかったまま峡間を見下していたが...
横光利一 「旅愁」
...峡間には刻刻暗さが増して来た...
横光利一 「旅愁」
...どの樹も雪にしな垂れた峡間の冷たさが膝もとから刺し上って来た...
横光利一 「旅愁」
...苗代の整った峡間の障子が...
横光利一 「旅愁」
...ゆきゆけどいまだ迫らぬこの谷の峡間(はざま)の紅葉時過ぎにけりこの谷の峡間を広み見えてをる四方の峰々冬寂びにけり岩山のいただきかけてあらはなる冬のすがたぞ親しかりける泥草鞋踏み入れて其処に酒をわかすこの国の囲炉裏なつかしきかなとろとろと榾火(ほだび)燃えつつわが寒き草鞋の泥の乾き来るなり居酒屋の榾火のけむり出でてゆく軒端に冬の山晴れて見ゆとある居酒屋で梓山村に帰りがけの爺さんと一緒になり...
若山牧水 「木枯紀行」
...黒いかと思われるまで蒼い海が眼下の山の峡間から向うに広がって見下された...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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