...この女ふたりが拳銃を構えて対峙(たいじ)した可憐陰惨...
太宰治 「女の決闘」
...その中でもさっきまであの三人の拝んでいた墓は一際群を抜いて大きく立派に峙(そばだ)っていた...
橘外男 「逗子物語」
...そこでは、プロレタリア・ジャーナリズムとブルジョア・ジャーナリズムとが対立する通り、マルクス主義的社会科学と、ブルジョア社会科学とが、対峙している...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...お清は心もち肩を峙てて霧の中を透して見るようにしながら...
豊島与志雄 「反抗」
...二つの主義が相対峙(たいじ)していると言い得るのだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...唯(たゞ)彼等(かれら)のやうな貧(まづ)しい生活(せいくわつ)の者(もの)は相互(さうご)に猜忌(さいぎ)と嫉妬(しつと)との目(め)を峙(そばだ)てゝ居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...余は耳を峙てた...
長塚節 「菜の花」
...兄弟別れ別れに敵味方の塹壕に対峙するというようなことも少からずあった...
野上豊一郎 「ヴェルダン」
...平然と対峙している...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...あれがガアラッパだと耳を峙(そばだ)てて聴く者もあった...
柳田国男 「山の人生」
...対峙(たいじ)していた...
吉川英治 「三国志」
...これを第一回第二回ごろの対峙ごろから較(くら)べると双方の軍容にも僅かな年月のあいだに著しい進歩が見える...
吉川英治 「三国志」
...それに対峙する出屋敷の浪人方へも...
吉川英治 「私本太平記」
...南五郡の北畠の大軍と対峙(たいじ)するので...
吉川英治 「新書太閤記」
...きょうの対峙(たいじ)では...
吉川英治 「源頼朝」
...対峙(たいじ)している間がらであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そこでその武士の一万人の部下と信雄の七百人の部下とが対峙した...
和辻哲郎 「鎖国」
...この対立はやがて美術文芸の潮流の内に王朝の流風を追う表現法と極度に官能的要素を没却する表現法との対峙となって現われるのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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